初夏の足音が聞こえてきたら、旅に出たくなる。5月16日は松尾芭蕉がおくの細道へ出発したとされる”旅の日”。編集部員それぞれの旅の形をリレー形式でお届けします。2人目は──
FROM EDITORS 初夏の旅 蕎麦を食べに”ご近所旅”へ

Early Summer Trip 2
前々から計画をして旅行に行くワクワク感もいいけれど、起きてその日の空の様子と気分で行き先を決めるのも楽しいですよね。今回はお蕎麦屋さんが約20軒集まっている、調布市の深大寺エリアを初夏の(小さな)旅として紹介させてください。
都内から近いのに(新宿からだと30分ちょっと)このあたりは木々が力強く生えていて自然が豊富、この季節は新緑が日光に当たってまぶしくて散歩しているだけで気持ちいい空間です。
新緑が美しく空気もひやっとしていて普段より呼吸が深めに。ところどころに湧き水も出ています。
初めてここに来たのは数年前の秋。吉祥寺で夜、お好み焼きを食べていてどんどん深い時間になり気が付けば(どんだけ記憶をなくしてるんだ、って話ですが)深大寺に住む友達の家に何人かでお邪魔して、朝帰る時に通ったことがきっかけでした。その時は人格が変わりそうなくらいの二日酔いだったのですが、落ち葉の匂いと早朝の空気の冷たさが心地よくなんとか人間の形をして帰路についたことを覚えています。またそんな中、職人さんが蕎麦を打っている姿が印象的でした。
深大寺と蕎麦の結びつきは江戸時代までさかのぼり、もともとお米よりも蕎麦を育てるのに適した土地だったからと言われています。20軒近く並ぶお蕎麦屋さんは建物も雰囲気があるところが多く、色々入ってみたいと思わせる、それが通ってしまう所以かもしれません。
天もりそば。9割蕎麦だからか歯応えが良くて噛むのが心地いい
他にも300近い出店が並び三大のひとつに数えられる『だるま市』(毎年3月上旬に開催)が有名ですが、それ以外の時期はお店の数は減りますが、だるまが並ぶ姿は圧巻です。近くには神代植物公園もあり季節ごとに違う顔を見せてくれるので、つい足が向いてしまう場所です。
購入しただるまは左目に「阿」と書き入れてもらい、願いが叶ったら右目に「吽」と入れるのは深大寺独特のルール。
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Kitagawa
副編集長。最近は通い慣れたお店ばかりに行ってしまうので今年は都内都下で新しい場所に色々行こうかと。清澄白河、先々週、初めて上陸しました。近くても初めて行く場所へ向かう気持ちは「旅」に似ているなと思います。