声の悩みは多かれ少なかれ誰にでもあるもの。「けれど、その人にしか出せない魅力的な声も必ずあります。 30代は、女性の人生の中でもっとも声につやがある時。コンプレックスから離れ、本来の声を取り戻しましょう」
ボイストレーナーMinnie P.さんに聞く、声にまつわる悩み相談室。「30代は、女性の人生の中でもっとも声につやがある時。」

Q 無理して声を出している。
話し終わるとドッと疲れます。
- 声を張ろうとせず、胸全体に響かせるようにして話してみて。
プレゼンや接待の場で、気を遣って話してヘトヘト…。そんなときは、「無意識のうちに声を張ろうとして、甲高い声で話しているのかも? 日本では女性の声は高いほうが良いとされる傾向にありますが、そうした声を無理に出し続けていると疲れてしまいます。少し低めの声で、顎を引き、頭ではなく胸に響かせるつもりで話してみて。お腹の中から声を出すのもポイントです」。
緊張する場面で高い声になってしまう人は、声帯にも心にも負担をかけているかも? 姿勢や呼吸を見直し、ラクに話す方法を学んで。
Q 小さい、低い、早口。
自分の声が嫌いです。
- 録音して聞くうちに、必ず好きな部分が見つかります。
「誰が聞いても良い声ってありますよね。滝川クリステルさんのような。でも、そうじゃなくても決して自分の声を嫌いにならないで」と、Minnie P.さん。「大事なのは、その人のキャラクターに合った魅力的な声で話すこと。自分の声を録音して聞いてみて。繰り返し聞くうちに、『こういう声の時は好きかも』と思えるところがきっと見つかります。それを伸ばせばOK。案外、短所だと思っていたところが長所になることも多いんですよ」
性格や外見と同じように、声だって人それぞれ。プロのアナウンサーの完璧な声に憧れる前に、自分の声の長所を探してみよう。
Q 「声が母さんに似てきたね」ですって。
声も老けるの?
- 親子は声が似るもの。でも、しわがれてきたら要注意…。
「声は声帯の状態や頭蓋骨の形や大きさ、唇の厚さなどによって変わります。親子なら声帯の作りも近いし、骨格が親とほぼ変わらない年頃になれば声も似てきます。ただし、しわがれてきた、声が低くなった、などの変化は要注意」。加齢で声帯がゆるんだり、荒れたりすることが原因だそう。30代ならまだその心配はないはずだけれど、「将来に備えて正しい声の出し方を。肌と同じく、声も早くから手入れをしておきましょう」。
話し方も似ているゆえに、親子の声は似て当たり前。でも、明らかな老化による相似には注意! 正しい発声を心がけて老化予防を。
作詞・作曲家、音楽プロデューサーとしてクリス・ハートなどの楽曲制作に携わる。また、ボイストレーナーとしても活躍中。
Collage: Q-TA
Illustration: Naoto Okubo
Text&Edit: Kayako Nitta