ちゃんと息抜きできてますか?忙しい毎日から少しはなれてリフレッシュするのも大切。遠出でも近場でもできるみんなの“私ならではの旅”を集めました。カレー好きグラフィックデザイナー・宮崎 希沙さんの場合は?
新大久保からNYまで!プチ旅行気分になれるカレー屋:宮崎希沙さんならではの旅

日々の生活の中で、カレーを食べ、それを記録し、zineとして毎年発行するのがライフワークとなって10年目。カレー屋に関する記憶は味だけでなく、店の雰囲気、店員さんの様子、そこに行くまでのおしゃべり、その日どんな天気だったかも、全て含めてのメモリー。日常の中でのささやかな楽しみだからこそ、その日にあったことを覚えておきたいし、忘れていない、自分の中に残っていることを『curry note』というzineでまとめています。
その『curry note』内でも触れていますが、一番最近の旅先で行ったカレー屋でインパクトがあったのは2018年5月に訪れたNEW YORK。マンハッタンのダウンタウン・イーストビレッジ地区にあるカレー屋。かつては移民街だった個人商店が多く立ち並ぶ街。
MILON
外見からもわかるようにめちゃくちゃサイケデリックな様子、店内に入るともっとすごい。
照明代わりに天井に垂れ下がり埋め尽くしているのは唐辛子型のネオン。なんともスパイシ〜〜。もはや何を見てもピンクなので、カレーを食べているのかどうかも怪しいです。
店員さんは意外とサーブや盛り付けは上品にしてくれて、最初はコミュニケーション出来るかな?と思ったけれど「美味しかった!」と言うと嬉しそう。カレーメニュー自体は南インドっぽさがあったので「どこ出身なのですか?」と聞くとお店の方は皆バングラデシュ出身とのこと。住んでいる場所はNYでのリトルインディアと言われる、クイーンズのジャクソンハイツだそう。次回はそちらへも行ってみたい。
ちなみに少し歩いた近所にあるこちらもオススメ。
PUNJABI GROCERY & DELI
こちらは中でデリを買ってお弁当にも出来るし、スナックや軽食も豊富。100%ベジタリアンとあります。安価で食べれるのでベジ友達にもおすすめだね。
また逆に、日本にいながら旅に出ているような錯覚を起こす店もたくさんあります。異国情緒を超えた、現地感を味わえる、何度も訪れているお気に入りのお店。
NASCO FOOD COURT
新大久保の「ナスコフードコート」。
ここを初めて訪れたのは、『カレー語辞典』にてエスニック横丁のコラムを担当し、取材をした時。
『カレー語辞典』
誠文堂新光社
コリアンタウンのイメージが強い新大久保だけど、実は一角だけムスリムタウンと呼ばれる場所があります。駅前すぐの路地を入るとそこはもうスパイスの強い香り漂う横丁。ネパール・インド・バングラデシュと各国から集まったそれぞれのボスが経営するスパイス&食材問屋と、そこにくっついてレストランも営業中。エリア内のビル2階にはコミュニティのためにきちんとモスクまであるんです。その中で南インドからいち早く来日したやり手のボスが経営するのが「ナスコ」。一番大きい敷地を陣取り、路地を更に奥に進むと完全業者用の食肉専門別館まで構えている本格派。
そしてスパイス問屋の脇に地味にくっついている食堂が「ナスコフードコート」。店頭でタンドリー風味の焼き鳥やケバブを売っていて、立ち食いしてるおっちゃん多数。
スパイシーな焼き鳥。
店内ではめちゃくちゃシンプルなビリヤニが食べれます。
チキンビリヤニ+ライタ(ヨーグルトは混ぜながら食べてね)
店員さんは声をかけないと来ないし、BGMは無音、人の家みたいな地味さ、空調が効いてるのか効いてないのかわからない生ぬるさ。それら全て含めてインド現地にいる感じに限りなく近く、嬉しくなってしまうんです。無骨な風貌に怖がらず、一歩踏み入れてみよう。ムスリムは優しいです。
もう一つ、大学生の時に“ネットワーカー”ばるぼらさんのお勧めで初めて訪れた店。
シリ バラジ
中目黒の「シリバラジ」。
何度も行っているけど、つい先月はここ最近お仕事でお世話になっていた「ON TOKYO SHOWROOM」のスタッフの皆さんと、総勢7人でカレーパーティー!ここは大人数でいろんなメニューを楽しむのが一番おすすめ。そして店内が広くてあまり混雑していないのでゆっくり楽しめます。ナンとかの日本人が好きそうな、南インド地方の料理ではないメニューも色々用意されているけれど、普段見慣れていなくてもここでは南インドのメニューをたくさん頼んで欲しい!
ホールをまわすチーフのシュッとしたおじちゃんも、日本語堪能で、素っ気ないように見えて実はキュートなので注目ポイント。
そして店内の壁全てピンクに塗りたくられて、何を撮っても映え過ぎる写真ばかりが撮れるので最高ですよ。ベジタリアン対応メニューが豊富なのも、南インド料理店の良いところ。外国から遊びに来た友達を、日本なのに異国を感じるところに連れていくのも楽しいかもね。
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宮崎 希沙
カレー大好きグラフィックデザイナー。東京のカレー屋さんを食べ歩いたレビューをまとめ、2010年より毎年発行しているzine「curry note」がライフワーク。自身が運営する自主出版レーベル「MESS」などで販売。今年で10周年なので過去バックナンバーをまとめた合本を8月発売予定で制作中。 Instagram #currynoteで日々のカレー記録中。30代を機に内臓脂肪と戦っていますがカレーは食べます。
kisamiyazaki.com