凛としてたおやか──。墨色のボトルから広がる芳しき世界に一瞬で引き込まれる。ブランド初にしてシグネチャーとなる香水とキャンドルである。およそ3年もの歳月をかけて生み出した道のりを和泉侃さんにたずねた。幻のフジバカマのブレンドを試み、唯一無二のフレグランスを確立させた舞台裏に迫る。
💅🏽BEAUTY
〈Mame Kurogouchi〉唯一無二のフレグランス。
アーティスト・和泉侃が奏でる豊かな香り
巨大な船に乗ったことで未知の世界へとたどり着く
淡路島を拠点に香りを創造する和泉侃さん。植物の生産、収集、蒸留などの原料製造から調香やボトリングまでを一貫して行う。
「〈ライケン〉×〈マメ クロゴウチ〉という大きな船での航海は新しい景色が広がっていました」
と、振り返る。聞けば今回のプロジェクトで書いた処方の数は少なくとも40〜50種。サンプルとして提出したのは10パターンを超えたそう。
「僕の制作スタイルではリサーチ期間を長くとっています。依頼してくださった方の言葉に耳を傾け、どんな香りを求めているかなどコミュニケーションを重ねます。そうすると輪郭が浮き彫りになる。そのため調香へ進む頃にはどのような香料を使うか絞れているケースがほとんどでした。しかし、今回はまったく違いましたね」
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