どこにも宣伝していない、口コミだけの客が足を運ぶ都内の隠れ家的占い師、オカンがいるという。人生の酸いも甘いも知り尽くしたアドバイスを求める財界や政界からの依頼者も数多く。今日も、迷える相談者がひとり…オカンのもとへやってきた。
占いのその後…vol.4 給料が上がらないから結婚できないと怒る男

相談者
小林省吾さん(仮名)
広告関係・31才
三碧木星
悩みをざっくり:現在、付き合っている彼女との結婚を考えているという省吾さん。今後のことを考え、1年ほど前から給料を上げるために、自ら進んで仕事量を増やしたというが、社長には「上げられない」と断られてしまった。
省吾の証言 「努力は無駄だったのでしょうか」
4年半付き合っている彼女がいて、結婚を考えているのですが、今の自分の収入だと、彼女を養っていくには不安なので、給料やボーナスを上げるために、あえて仕事量を増やしました。会社のホームページの更新、資料のデータ入力や、皆がやりたがらないような仕事を率先して引き受けました。
そして社長との面談で増やした仕事内容を説明し「給料を上げてくれ」と交渉したのですが、「結果が出ていない」と断られました。全くもって納得できません。
家に仕事を持って帰ってまでやっているのに、今までの努力は無駄だったのでしょうか? このままでは、彼女と籍を入れられません。転職をした方が早いのでしょうか?
オカン:今年の三碧木星は努力したことも、悪いことも全部が明るみに出るの。
省吾:自分は仕事を一生懸命やってきたつもりです。そのことに対して評価されないのはなぜですか?
オカン:会社が欲しがる人材っていうのは、お金を生む人、新しいものを作る人なのよ。小林さんの話を聞いていると、単に他の人の雑用を引き受けているだけのように思えるけど。
省吾:まぁ、そうかもしれません。会社の中では、仕事を押し付け合っている部分がありまして、新人の頃はわけが分からずになんでも引き受けていましたが、だんだん逃げ方を覚えていくんです。
オカン:会社は「いくら稼いでくれたか」でお給料を決めるのよ。だから、小林さんが「こんなに時間をかけて仕事をした」と思っていても、会社からみれば新しいアイディアを持っている人や、営業成績で結果を残せる人を求めるの。
省吾:ということは、自分は会社にとって、いらない存在ということでしょうか?
オカン:どこの世界でも共通すると思うけれども、会社が離したくないと思う人をつなぎとめるために、給料を上げるの。厳しいことを言うかもしれないけど、あなたが増やしたと言う仕事は新人に任せられない仕事?
省吾:任せられます。
オカン:貴方にしかできない仕事をしてみて。そしたら、会社も貴方が他に転職しないように動くと思うわ。
省吾:自分は転職も考えていました。
オカン:同じ業界? それとも別の世界で働こうと思ってた?
省吾:同じ業界です。
オカン:タロットカードを見ると、今の貴方に「力」はないし、他の会社に入れないって出ているわよ。もう少し、ネットに関して勉強してみたほうがいいっていうカードもある。世の中が何を求めていて、どんなものが流行っているのか、調べてみたらどう? それをヒントに今後、何が求められるのかアイディアを出してみて。それは、他の会社に行っても同じように求められるはずよ。
占いのその後 「開き直って逃げていたのかも」
オカンの占いに最初は納得できなかったという省吾さんだったが、時間が経つにつれ、仕事に対する気持ちが変わったと言う。
「今まで若者の間で流行っているようなアプリや、動画サイトなどを見ることを“自分には合わない”、“どうせわからない”って避けていたんですけど、オカンの助言が頭に残っていたので、試しに見てみたんです。そしたら、“ああ、自分が持っていた感覚ってもう古いんだ”って思いましたね。
自分は若者についていけないって開き直っていた部分はありました。まぁ、逃げみたいなものですよね(苦笑)。でも今は、企画書を出し続けています。すごいダメ出しされていますけど、結果を残せるように諦めずに頑張ります」
30代はまだまだ世の中と勝負する年齢だとオカンは語る。
「たまに、30代の人で時代の流れを追いかけることを諦める人がいるけれど、“今、戦わないで、いつ戦うのよ!”って説教するの。だって、落ち着くには早すぎるでしょ?」
省吾さんは自分と自分の家族の未来のために、今日も戦い続ける。
🗣️
オカン
2007年に都内の自宅で占いの店をオープンし、これまでの鑑定人数は3000人を超える占い師。タロット、九星気学をもとに、霊感で見える風景や人物をヒントにアドバイスをする。霊感は幼少期からあり、10代の頃から趣味でタロットを始める。本人の希望により、店の詳細と本名は秘密。