どこにも宣伝していない、口コミだけの客が足を運ぶ都内の隠れ家的占い師、オカンがいるという。人生の酸いも甘いも知り尽くしたアドバイスを求める財界や政界からの依頼者も数多く。今日も、迷える相談者がひとり…オカンのもとへやってきた。
占いのその後…vol.2 異動したくない!現状維持を求めていた女

相談者
田原英子さん(不動産関係・24才)
五黄土星
悩みをざっくり:現在の会社に就職して2年くらい。会社では事務作業を担当しているという英子さんだが、会社から営業に移らないかと相談をされたという。営業の大変さを知っている英子さんは、転職も考えたが、またゼロから別の業界の新人として働くことが怖い。
英子の証言 「今のポジションから離れたくない」
今、勤めている会社は社員が6名の小さい会社で、私は主に書類の整理などの仕事をしています。最近、営業で外回りをしていた社員が辞めることになり、新人を雇うことになりました。
だけど、新人に基礎をイチから教える時間と労力を考えたら、私を営業に回して、新人の子を事務にしようという話になってしまいました。事務スタッフは営業の人達と比べて、休みがあるし時間の融通も利くんです。特別なことがない限り、残業もありません。
この2年間で、営業のスタッフが休日に働いているのを見ていますし、人見知りで、のんびりな性格をしている私には向いてないと思います。でも、会社からの命令となると、従わないといけないですし……どうすれば現状を維持できるでしょうか?
オカン:五黄土星は、2018年まで運気があまり良くはなかったんだったんだけど、今年から少し良くなってきた感じね。運気が良くなってきたから、今年、いきなり成功をするわけではなくて、運気が上がる前だから行動もゆっくり慎重にしたほうがいいわね。カードでは、女性が動いているって出ているけど。
英子:そうなんです。1人、営業を担当していた子が会社を辞めることになって、その子の上司が私に「営業をやらない?」と声を掛けてきたんです。
オカン:その女性、すごく軽い気持ちで声をかけてきたみたいよ。「あなたがやった方が楽でしょう」っていうぐらいで、深く考えていない。これで人手不足を解決できればいいなって思っているみたい。相手は営業の人だから、口説きも上手いでしょ?。
英子:はい。「会社のピンチなの」とか「みんながあなたに期待しているのよ」と言われた時は、すごく悩みました。断ろうとしている私がワガママを言っているような気がしてきて……。
オカン:でも、このまま、仕事の内容が変わることを受け入れると自分の時間がなくなって、誰も助けてくれないし、精神的に余裕がなくなるみたい。
英子:正直、想像ができます。その女性は手取り足取り教えるタイプではなく、「見て覚えて」っていう感じの方です。それも不安要素のひとつです。今回の件をきっかけに、転職も考えました。
オカン:んー、ごめんなさい。転職はカードには出ていないわ。それは、今、仕事を実際に探していないからカードに出ていないんだと思う。それで、どうなって欲しいの?
英子:希望は、現状維持です。営業は出来ないと思います。
オカン:ならば体力的、もしくは精神的についていけないとアピールしてみたらどうかしら。向こうは、あくまでも軽い気持ちで提案しているだけで、あなたに辞めては欲しくないみたいだから。そこは駆け引きね。
体の調子が悪いっていう人に、無理にハードな仕事を押し付けることはないはずよ。きっと、その上司は調子の良い人で、あなたの未来を真剣に考えてない分、あなたが辞めるかもしれないっていう状況に気づいたら「私のせいだって言われたらどうしよう」って焦ると思う。
英子:すっごい、分かります。状況が悪くなったら逃げそうな人です。では、具合悪いと演じればいいんですか?
オカン:上司にまた誘われたら、「体力的に自信がない」って言えば良いわ。相手があなたを利用しないように願掛けしてあげる。
英子:ありがとうございます。
占いのその後 「何かを得られる仕事をしていきたい」
オカンの願掛けのせいか、それとも本当に精神的に辛かったのか、理由は分からないが、胃炎になったという英子さん。上司に「体調が悪い」と言わずとも、病院に通ったり、会社を何日も休む姿を見た上司は、英子さんを営業に誘わなくなったという。体調を崩してしまった英子さんにオカンは「ごめんね。みんなが心配するように願っちゃったから」と謝っていた。
「願いが叶ったといえば、叶ったけど、胃炎は辛い(笑)」と語る英子さん。人手不足の件についてはその後、新入社員を雇い解決したという。今回の件で、会社との向き合い方を改めて見つめ直した英子さんは、体調が回復するのを待って、転職先を探し始めたという。
「今回の件で、自分は会社にとって必要な人材なんだって知ることができました。でも、それは私のスキルとか、仕事の仕方じゃなくて、業務内容を理解している私が必要だったってことに、ちょっとショックでした。今、私のやっている仕事は誰でもできると言えばできるんです。
私はこの業界に長くいませんし、会社からまだ何も得ていないということに気付きました。今までは何となーく頼まれた仕事をしてきましたけど、これからは自分の成長のために、資格を取ったり、何かを得られる仕事をしていきたいです。女性上司と、オカンの占いのおかげで仕事に対する意識が変わりました」
「ピンチはチャンス」というけれど、今回の英子さんの“悩み”は自分の人生を見つめ直すきっかけになったようだ。
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オカン
2007年に都内の自宅で占いの店をオープンし、これまでの鑑定人数は3000人を超える占い師。タロット、九星気学をもとに、霊感で見える風景や人物をヒントにアドバイスをする。霊感は幼少期からあり、10代の頃から趣味でタロットを始める。本人の希望により、店の詳細と本名は秘密。