人生はいつだって夢芝居。演じるほどに華やぐの。いい?女は女優よ。目を腫らすまで泣いてブサイクになっても、演じている限りはスポットライトの当たる女優なの。そして、監督で脚本家で照明係で音響係なのよ。何ひとつ、わかっちゃいないアンタたちのために銀座アガリのわたくしが、女の生き方をとことん、教えてあげるわよ。
その14
「火遊びから本命へチェンジする、女優になる」
●それ、2番手募集のオーディションだけど?
いい? アンタたちったら、まったくわかってない! 付き合う約束もなく、出会ったばかりでワンチャンやらかした男優を追ってるって? 今すぐそんなダメ脚本、燃やさなきゃダメ! これ監督命令だからね!1度でも追いすがってしまった女優は、全員オーディション落ち。あの夜はあんなにラブラブっぽかったのに、翌日も翌々日も彼からなんの連絡もなく、待ちに待った結果、2週間も経ってから「元気?」とポツンとひと言LINEを送っても、すでに「彼の本命彼女」という役につくのは絶望的。たとえ、彼からまたオーディションのお知らせきたとしても、それ、実は2番手の募集だから。それでもいいんだったら止めないけど、主役として本命彼女を演じたいなら、新たなオーディションを受けるべき。
●2番手以下で活躍するつもりなら止めないけど。
基本ね、主演女優の心構えとしては、ちゃんとお互い契約書にハンコ押してからじゃなきゃ濡れ場演じちゃダメなのよ。彼との作品では2番手以下しか演じられなくなっちゃうのが常。でもね、そこからの巻き返しチャンスもないわけじゃない。女優の世界は夢あるから! で、本命になる夢を見続けてもいいのは「出会い頭のワンチャン後、主演男優をただの1度も追わなかった女優」だけ。はい。やらかし後、ただ1文字のLINEも送っちゃダメなの。それが唯一、本命彼女を演じるための敗者復活オーディションを受ける条件だから。