この冬、これがあったら素敵、幸せになるモノやコトを、 それぞれのジャンルにアンテナを張る10名が選び、なぜそれが2016年の冬に相応しいか?じっくりとその理由を語っていただきます。
GINZAが考える『この冬にしたい10のこと』 – 08: 真冬の下北沢クルージング~パフェとたこ焼きとセーターと

編集K
「真冬の下北沢クルージング」
この季節、ワードローブのセンターを担うのはセーターだ。
ピカピカなのも、毎年何枚かは新調する。肌触りのよいカシミアやそのブランドでしか出しようのない美しい発色のニットは、思い浮かべるだけで気持ちがあがる。
けれど私のクローゼットの大半を占めるのは、子供の頃に着ていたような懐かしい雰囲気の古着のセーター。
特にPolo Ralph Laurenのセーターがあるとなぜか手が伸びてしまう。
無条件に好きなのよ。ポロのマークも肉厚な編地も、トレンドと無関係な形も。
普遍性があり、説得力がある。
そんな愛しいセーターが買える古着屋のある街下北沢が、いまちょっと新しい展開を見せて盛り上がっている。ような気がする。
芝居や音楽を愛する者が集うことは変わらずも、駅前の再開発をはじめ個人商店が軒並みチェーン店またはキャバクラに変わってゆく、ちょっと切ない季節がここ最近まで続いていたと思う。
がしかし。
2016年は良いお店がいくつかオープンし、街としての個性を取り戻し始めた元年なんじゃないかしら。
たとえば『ノイエ』。
すでにハナコのスイーツ特集の表紙を飾ったり、ポパイのガールフレンド号やギンザの最新号でもちらっと紹介されてる、イケメン1人で切盛りするデザートとヴァン・ナチュールを楽しめる店。イケメン、デザート、ヴァン・ナチュール。やりすぎだろう。現に店の前を通るたび連日連夜女子が詰めかけているように見える。その様子自体がとても健全でかわいらしい店。下北にこんなに女子、来てたっけ!
木苺のジュースみたいな微発砲ロゼ。美味。
今の季節ならではの苺のパフェ。クリームチーズとかピスタチオとか紅茶とか…いろんなクリームと苺とが層になっている。メチャ美味。
そして『大阪屋』。南口の踏切近くにあったたこ焼きの名店が、なんと北口に復活したのです!
12/3にオープンしてからずっと行列らしい。私が行った12月中旬の月曜19時半でも10人くらい並んでた。「寒い中ごめんね」「ありがとう」客一人一人にあたたかく優しく話しかけながらたこ焼きを焼くご夫婦の様子を見ているだけで下北沢住民で良かったと思ってしまう。寒空の下の待ち時間もなんのその、あったか~い空気が流れている。
セーター探して、たこ焼きつまんでパフェ食べて。
新たに盛り上がりつつある街、下北クルージング、この冬におすすめします!
『ノイエ』
東京都世田谷区北沢2-7-3 ハイツ北沢 1F
☎03-6407-1816
『大阪屋』
東京都世田谷区北沢2-25-10
🗣️
編集K
好きな古着屋はhickory、FILM、A-room。季節の狭間、セール前に新アイテムを投入したい時にも古着はいいすよね。ほか下北沢の2016年の新店といえば『カレーの惑星』。ギンザ最新号にも載ってます。