半世紀以上レシピも味も変わらない、次の代にも受け継がれるであろう洋食3品。
ミートクロケット、ナポリタン、舌平目のボンヌファム。50年以上、ずっと美味!な洋食

1931年生まれのミートクロケット
資生堂パーラー
西洋料理の基本に忠実に作られ、俵型のコロッケでもフランス風に「クロケット」と呼ぶのがこの店の流儀。ナイフを入れれば、中はトロトロ。細かく切ったハムと、ボイルした仔牛肉を合わせ、つなぎのベシャメルソースで口当たりを滑らかに。クラシックな店内の雰囲気とも相まって、“美しい東京”を象徴するお店の看板メニューとなっている。
メニュー誕生のきっかけは、3代目総調理長の高石鍈之助が、宮中晩餐会でフォアグラのクロケットに衝撃を受けたこと。秘伝のトマトソースとの相性もとにかく抜群な、見た目にも上品さが際立つ一皿を召し上がれ。
資生堂パーラー
ナポリタンはここから始まった
ホテルニューグランド
マッカーサー元師やチャップリンなど海外の著名人が数々訪れ、レストランにも力を注いできた横浜の老舗ホテル。ここ発祥のメニューも多く、そのひとつがナポリタン。1945年の終戦後、米兵がスパゲッティにトマトケチャップを和えてよく食べていたことから、2代目総料理長の入江茂忠がホテルのメニューに。
生、水煮、ペーストと3種類ものトマトを使用したオリジナルソースで仕上げられている。ヨーロッパではトマトの煮込み料理をナポリ風と呼んでいたことが名前の由来だそう。歴史的建造物に認定された本館1階のコーヒーハウス「ザ・カフェ」で提供されている。
ホテルニューグランド
“フレンチの祖”が考案、舌平目のボンヌファム
パレスホテル東京
真っ白なお皿に広がるクリームソースと芳醇な香り! 「ローストビーフ」「マロンシャンティイ」などと同様、最初にメニュー化したのは、初代総料理長の田中徳三郎。日本初の西洋料理辞典を書き上げるなど、フランス料理の礎を築いたと言われる存在だ。
ボンヌファムはパリの巨匠オーギュスト・エスコフィエから技術や味を受け継ぎ、70年以上前に誕生。上質なバターや魚のだし汁で作られた上品なソースと、ふっくら肉厚な平目の組み合わせが相性抜群。緑と水に囲まれたオールデイダイニング「グランド キッチン」で、優雅な時間とともにゆっくり味わいたい。