4月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
飾らないユーモアに心つかまれる。石田夏穂『ケチる貴方』|G’s BOOK REVIEW
『ケチる貴方』
石田夏穂
(講談社/¥1,650)
工事関連会社に勤める中堅社員の「私」は、極度の冷え性に悩まされている。日々温活を実行しているが、効果はゼロ。ところがある日、突然体温の上昇を感じる。どうやらそれは新人教育をしていることと関係があるようで─体質と性格の連携を描く表題作と、脚の太さを嫌悪し、脂肪吸引に耽溺する女性の行動原理を突き詰めた「その周囲、五十八センチ」の二編を収録。時に無遠慮な文章の力強さと飾らないユーモアに心つかまれる。
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Recommender: 北村浩子
ライター、フリーアナウンサー。『黄色い家』に出てきた《自分で稼いだ金だけが自分の金で、自分を守ってくれるのは誰かの金ではない》という言葉が忘れられません。