2023年5月20日(土)から6月11日(日)まで、東京・表参道の「シボネ」にて、〈イエス〉がポップアップを開催。アップサイクルプロジェクト「箪笥×アクリル」によって、日本古来の趣とフューチャリスティックなムードが混ざり合ったユニークな桐箪笥が登場。
〈イエス〉が「シボネ」でポップアップ開催。廃棄予定の桐箪笥が、アクリル板で蘇り!

軽くて、防虫・防湿性に優れ、燃えにくく、美しい木目が特徴の桐材。江戸時代初期あたりから家財品として重宝されてきました。昔は女の子が生まれると桐を植え、結婚する際にその木材で箪笥を作り、嫁入り道具にする風習がありました。高価な着物を入れる収納として、2代、3代と引き継がれてきた桐箪笥ですが、近年、この伝統家具を手放す人が増えていると言います。
この現状に着目したのが、富山を拠点に家具のアップサイクルや空間プロデュースを行う〈イエス〉。老朽化や破損を理由に廃棄処分が検討されている桐箪笥を引き取り、修繕が必要な箇所にアクリル板を配し、古い箪笥に新たな息吹を与えています。
〈イエス〉がアップサイクルした桐箪笥。
「時代の流れとともに必要なものが変化していくのは、自然の摂理。ですが、古いモノに新しい考えかたや使い方を組み合わせれば、実は本当に新しいモノが生まれるんです」と、〈イエス〉の伊藤昌徳さん。
アクリル板を選んだのは、桐材と同様に、軽くて加工しやすい素材だったから。
「また、未来感を感じられる蛍光アクリルを古箪笥と組み合わせることで新旧を引き立て合うことを意図しています。かつて蔵や納戸の暗い空間にあった古箪笥ではなく、光のある空間で活きてくるイメージです。もしこの箪笥を使わなくなった場合にもリユースしやすい、廃棄しやすい(分別しやすい)工法で仕上げています」と伊藤さん。
いずれは桐材に戻して、元の状態に近い形で使ってもらえるといいな、という気持ちも、このプロジェクトには込められているのだとか。
今回の展示会『サーキュレート』には、定番色をはじめ、シボネ表参道の別注色も登場し、都内随一のラインナップとなるそう。新旧素材が織りなすユニークな風合いや、巧みな構造など、実物を見るのが楽しみ!
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〈yes〉
「見過ごされていた価値を再構築し、世界を豊かにする」をビジョンに掲げ、家具のアップサイクルや空間プロデュースを行う。代表的なプロジェクトとして、空き家に新たな価値を与える「箪笥×アクリル」、木彫りの熊をアートの力で蘇らせるプロダクト「リベアプロジェクト」がある。www.yestoyama.com
『サーキュレート』
会期: 2023年5月20日(土)〜6月11日(日)
住所: 東京都渋谷区神宮前5-10-1 GYRE B1 CIBONE
営業時間: 11:00〜20:00
定休日: 無休
電話: 03-6712-5301
Text: Ayako Tada