ネタの世界観を表現する上で鍵となる衣装には、芸人たちのこだわりが詰まっている。 賞レース王者からバラエティの人気者まで、芸人衣装研究家の福田フクスケさんが解説!
🎨CULTURE
お笑い芸人コスチューム図鑑 vol.2
永野、トム・ブラウン、阿佐ヶ谷姉妹etc.
天才ピアニスト

2人の好きな色であるパープルをキーカラーに、竹内知咲さんはパンツ、ますみさんはスカートを合わせることで差をつけている。
「〈X-GIRL〉の開襟シャツに同系色のボトムをコーディネートしていて、着こなしがとても今どき。その反面、マダムたちのヘアカラーの定番として愛される紫が幅広い世代に親近感を抱かせてくれます。いつまでもこのスタイルを続けて、ゆくゆくは2人の髪まで同じ色味になっていったら最高ですね」
永野

「音楽に詳しいという背景もあってか、70年代のロックスターに通ずる魅力を感じます。髪をハイトーンに染めたことでよりカラフルになり、この色の組み合わせといったら永野!というわかりやすさが増したような。どこか異国情緒があり、“知らない南国の大物MC感”もありますね。きっとその国では明石家さんま級のカリスマなんだろうな」。
もともとは真っ黒の衣装を着ていが、〈H&M〉のワゴンセールで偶然見つけた水色のシャツと赤いパンツに衣替えしたのだとか。
トム・ブラウン

みちおさんは白地にペンギンの絵が入ったセーター、布川ひろきさんは黄色×青の組み合わせが目を引く。
「チャーミングな動物で観る人を安心させてから、恐怖の芸風に引き摺り込む、圧倒的なパワーを感じます。みちおさんの体型も相まって、『バットマン』に登場する悪役ペンギンを彷彿とさせる怖さがありますね。布川さんのシャツと靴下は警戒色である、イエロー。“こっちへ来るとヤバいよ”と、サブリミナル的に危険を知らせてくれているのかも……?」
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Text: Momoka Oba