Radial Graphics Bio Installation View 写真 高木康行
YOSHIROTTENがこれまでに手がけたさまざまなデザインを網羅的に紹介する個展が「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」にて開催されている。作家自身のグラフィック原体験をイメージした展示や、モニターディスプレイによるインスタレーションなど、あらゆる視覚言語表現が展開される。2024年3月23日(土)まで。
YOSHIROTTENのグラフィック世界に浸る
個展『Radical Graphics Bio / 拡張するグラフィック』が開催中
アートディレクターとして活躍し、作家としての顔も持つYOSHIROTTEN。「ギンザ・グラフィック・ギャラリー」で開催中の個展『Radical Graphics Bio / 拡張するグラフィック』では、彼の過去15年分の作品を一望できる。
鮮やかな色を配したビジュアルで、どこか近未来的なムードを醸す作風。そのカラーパレットの軸となっているのは、デジタルメディアの三原色・RGB だ。そして彼のクリエーションのかたちはグラフィックだけでなく、ロゴや空間のデザインなど多岐にわたる。
本展ではまず1階展示室にて、作家がデジタルグラフィックに触れた原体験をもとに制作されたシリーズ「RGB Punk」が登場。60台以上のモニターディスプレイが空間を包み、ゲーム機のようなたたずまいのインタラクティブ作品「RGB Machine」も出現する。
地下展示室に降りると、空間全体がインスタレーション作品「R.G.B.(Radical Graphics Bio)」となって立ち現れる。床から白い光が放たれ、さらに台座にはオブジェや岩を設置。モニターには、500を超える過去作品の画像を組み合わせた動画が流れ出す。空間と光、物体の相互作用のなか、グラフィック表現が身体に染み込んでくる。
1983年生まれのYOSHIROTTENをインスパイアしたものの一つは、デジタル黎明期のパソコンのスクリーンセーバーだそう。高彩度色で描かれるランダムな線や図像。そこには、パーソナル・コンピューターが誕生した60年代西海岸のヒッピー文化やサイケデリックグラフィックの余韻も感じられる。これに魅せられたのが作家の「原体験」だという。
光と色の可能性を探り、ツイストを加える本展。「RGB」の語を「Radical Graphics Bio」と掛け合わせ、どこまでもオリジナルな世界が繰り広げられている。
ℹ️
【YOSHIROTTEN Radical Graphics Bio / ヨシロットン 拡張するグラフィック】
会期_開催中〜2024年3月23日(土)
開場時間_11:00〜19:00(日祝休館)
会場_ギンザ・グラフィック・ギャラリー
住所_東京都中央区銀座7-7-2 DNP 銀座ビル1F/B1F
Tel_03-3571-5206
*入場無料
Photo_Radial Graphics Bio Installation View 写真 高木康行 Text_Motoko KUROKI