293歳を自称するまっさん(星田英利)に困惑する大助(賀来賢人)たち。ドラマ24『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本』(テレ東金曜深夜24時12分〜)9話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。8話のレビューはコチラ。
あり得ない物差しで際立つ人生の短さ。私たちはもっと毎日を大切にすべきだ
293歳を自称するまっさん(星田英利)に困惑する大助(賀来賢人)たち。ドラマ24『錦糸町パラダイス〜渋谷から一本』(テレ東金曜深夜24時12分〜)9話を、ドラマを愛するライター・釣木文恵と、イラストレーターのオカヤイヅミが振り返ります。8話のレビューはコチラ。
8話から引き続き、まっさん(星田英利)の謎が描かれた第9話。
まっさんから掃除を依頼されるも、「300年近く生きている」という彼の話をそう簡単には飲み込めずにいる大助(賀来賢人)、裕ちゃん(柄本時生)、一平(落合モトキ)。子供の頃駄菓子屋で会ったまっさんそっくりの男は父親で、江戸時代の古い書物に描かれた男は先祖ではないか、と納得のできる結論を導き出した。そんな3人を連れてビルの屋上へ向かったまっさんは、躊躇なく飛び降りる。
激しく動揺する3人の目の前に、なんでもないことのように再びまっさんが現れる。彼が神出鬼没かつ不死身であることを目の当たりにした大助たちは、依頼を受けることに。
この、ビルの屋上シーンの背景がいい。まっさんが飛び降りる側はスコーンと遥か遠くまで抜けている。同じくらいの高さの建物が延々と続き、空が広い。振り返って、3人の気持ちを表すように揺れ動きながら彼らを映し出すカメラの先には、やはり空が広がっているけれど、そこにスカイツリーが映り込む。ずば抜けた高層ビルがあるわけではない街。ばかでかい塔がいつもそこにある街。やっぱりここでも、錦糸町の景色がもうひとつの主役だ。
Edit_Yukiko Arai