今、世界に意義のある変化と進化を起こそうと、熱くメッセージを発信しているのはインディペンデント誌の編集長だ。多趣味でマルチ、自由でおおらかなエネルギーを持った女性編集長たちをフィーチャー。
インディペンデントマガジンとその女性編集長たち『Ponytale』アンドレア・フェレール(30)

アンドレア・フェレール(30)
Madrid – Spain
『Ponytale』
編集長アンドレアにとって、雑誌はフェティッシュなものだそうな。『VANITY FAIR』『THE FACE』『i-D』を熱心に買い集めていた10代の頃。そんな雑誌好きの少女が、大人になり、21世紀を生きる女性たちの自由な姿を思ったときに、彼女がインディペンデントマガジンを立ち上げることに理由はいらなかった。
昔から雑誌が好きだったの?
「うん、7歳くらいから読んでた。最初は自分の好きな女優の写真を探したりしていたけど、次第にファッションに興味が向いていってね。18歳でファッションデザインを学び始めて、その後スタイリストとして働いてたの」。
雑誌に影響されて人生の選択をしてきたアンドレアに、自身の姿を重ねるGINZA読者も少なくないだろう。
「でもね、今思うのは、たいていの女性誌は歪んだ価値観で、ただファッションを見せているだけね(笑)。女の子たちは周りから、こうしなさいって命令されるのには、もううんざりしているのよ」。
だから、彼女たちにはありのままの自分を受け入れてくれる『Ponytale』が必要なのね。
「この世の中に、もっと女性の声を代弁する雑誌が必要だと思ったの。いまだに続いている男性主導の社会のもとで、女性目線でのアートやデザイン、美というものを表現したい」。
もっと自由に、もっと現代の女性らしく。雑誌の力を信じて、読者と自由でオープンな対話を求めるアンドレア。もし『Ponytale』がなければ、未来の人生がまったく違うものになるかもしれない読者のために、今日も彼女はすべてのエネルギーを1冊に捧げている。
編集長の傍ら、フルタイムで広告のデザインを手がけるアンドレア。彼女のネオ・サイケなグラフィックのセンスが随所に。
音楽、スポーツ、デジタルが混じり合うユースカルチャーを表現したストーリー。ダサカッコいいスタイルが今の気分と重なる。
スタイルを切り開いたミューズの特集。80年代のノーウェーブ・シーンで活躍した女性シンガー、リジー・メルシエ・デクルー。
ジャスティン・ティンバーレイクの顔と「JUST IN」のタイポ。洒落の効いたオリジナルグッズも人気。¥4,320(マージナル・プレス)
スタファリ運動にインスパイアされたクリスチャン ディオールのブーツ(2004年)。トラッシュな時代感がお気に入り。
映画『リキッド・スカイ』(83)や写真家ナン・ゴールディンに影響されポラロイドカメラで撮影した友達の写真。400枚ほど。
20歳の頃はクラブキッズだった私。いろんな人とつるんで、週末は、木曜からスタートして日曜まで帰らないなんてザラ(笑)。
Photo: Toru Oshima
Text&Edit: Karin Ohira
Coordination: Yumiko Ohchi (Marginal Press)