さまざまなフィールドで活躍するアイコンにとって毎日でも繰り返し身につけたいユニフォームのような存在とは?十人十色のこだわりが光る、プライベートスタイルを披露。
フォトグラファー・黄瀬麻以にとってのユニフォームとは?
同じ服を着る人たち vol.6
黄瀬麻以
汚れても、くたびれてもいい
いつも味方の“マイスーツ”
カメラを手にしゃがんだり、脚立に登ったり、床に寝転ぶことも。フォトグラファーは、いつも柔軟な動きが求められる。
「撮影当日は、天候やロケ場所のことなど考えを巡らせていて、コーディネートに時間を割いている余裕はなし。そんな私と相性がよかったのがつなぎです。5年ほど前に友人である〈ジェーンスミス〉のデザイナーに“スーツみたいなものだから”と、すすめられたのですが、暑くなったら上だけ脱いで腰に巻いておけるし、タフに扱っても、穴開きのダメージすら味になる。ポケットがあるから少しの荷物ならバッグも必要ないですし」
今や黄瀬さんに欠かせないワードローブに。
「柄物からジップディテールのあるものまで、さまざまなバリエーションを愛用しています。理想はサイズの微調整ができて、丈がちょうどいいもの。10着以上持っていますが、“もっとここがこうだったら”と感じることもあって。それを〈ジェーンスミス〉のデザイナーに話したら『じゃあ一緒にやってみようよ』と、思わぬ形でオリジナルモデルの制作が始まりました。今日着ているのは、サンプルを1年近く身につけて何度も改良を重ねた完成品。ユニフォームはよりよいものに更新していきたいので、今後も探究は続きそうです」
憧れているのは、ガソリンスタンドの店員が着用しているようなつなぎ。
「どんなに汚れても、それが味となり格好よい。そんな一着に出合えたらいいですね」
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黄瀬麻以
きせ・まい>> フォトグラファー。1984年京都生まれ。東京を拠点にファッションやカルチャーの分野で活動中。〈ジェーンスミス〉とコラボレーションしたつなぎは、少数で販売中。
Instagram→ @kisema1
Photo:Genki Nishikawa Text:Minori Okajima