No.316 / 2023年9月12日発売

MAGAZINE

鮮やかに洗練された都会のダウン

小芝風花が着る〈TATRAS〉

PROMOTION

注目のデニムブランドによるイベントや特別受注会に、限定モデルの登場も

〈RHC ロンハーマン〉にデニムが大集合

RHC ロンハーマン　デニム　トップ

FASHION

“冒険”へと誘うファンクショナルダウン

〈カナダグース〉×Chara ピースフルな旋律

〈バレンシアガ〉荒野のエクスプローラー

9月12日発売📕

GINZA10月号「結局、いちばん強い黒と白」

〈ニューバランス〉のアーカイヴを再解釈したジャケットなどが登場

「ユニセンシャルズ」の第2弾コレクションが発売に！

〈ラコステ〉のポロシャツ誕生から90年。進化を続けるニュースタイルに迫る

スーパーモデルが普遍的価値を表現

〈エムシーエム〉キャンペーンにシンディ・クロフォードが登場

〈M TO R〉が〈UMBRO〉と表現する90年代のスポーツカルチャーとは？

〈アディアム イチ〉の洗練されたストリート・スタイル

上白石萌歌と萩原利久が着る

カラフルな小鳥や魚が遊ぶ『SEKAI』

〈me ISSEY MIYAKE〉今月のあなたを彩るストレッチプリーツは？vol.03

香港のファッションイベント「CENTRESTAGE」が9月6日に開幕

〈FETICO〉のランウェイショーも！

BEAUTY

ウッドストックもいるよ！

LIFESTYLE

豪快などんでん返しの連続、アトラクションのようなドラマの興奮がまだ収まらない

日曜劇場『VIVANT』10イメージイラスト／オカヤイヅミ（イラストでも全話振り返りました）

CULTURE

「私と部屋」FAVORITE THINGS 好きなものに囲まれて

〈青山デカーボ〉のヘルシースイーツボックスにときめく！

伊勢丹新宿店, 青山デカーボ, グルテンフリースイーツ

FOOD

新アルバム『EQUINOX』発売記念インタビュー

INTERVIEW

「私と部屋」FURRY FRIENDS 君は大事なパートナー

東京ケンチク物語 vol.45

COLUMN

過去最多の30店舗の人気ベーカリーが出店する。

ジョニー楓「愛となぐさめの星占い」

都心のワンルームから郊外の素敵な一軒家まで、センスのよい人の自宅をSNAP！おしゃれだけど実用的。センスのよい人たちが暮らしている部屋の「リアル」が盛りだくさん。インテリアの参考に。2018年12月から続くginzamagの人気連載。

私と部屋

毎日22時に更新。タロット使いのJON（犬）が、あなたのために毎日リーディング。その日の「対策」を星座別にお伝えします。

JON（犬）の毎日占い「 今日を過ごすヒント」

毎月1日更新。占い師章月綾乃さんによる、12星座別月間占い。星の声に耳を澄ませれば、過ごし方のヒントが見えてくる！ あなたの現在地点と今月の運勢は？

章月綾乃「開運レター占い」

おしゃれな人の持ち歩きコスメや、ポーチの中身を紹介。美の3か条、お気に入りの美容アイテムも伺い、美しさの秘密に迫ります。2018年4月から続く、ginzamagの人気連載。

きれいな人のポーチの中身

動くイラスト「メタ・イラストレーション」で注目を集めるクリエイター小川雄太郎さんが手掛ける連載漫画『トップスドッグズ』。洋服を模した犬のキャラクター“ロン”のゆる〜い日常をお届け。

トップスドッグズ

BGM「get back」（2018年発表2ndアルバム『AINOU』収録）

松永昂史（釣部東京）　このパートでは、東京と京都、（中村）佳穂さんが実際に拠点としているふた部屋を再現しました。ちなみに、「tokyo room」のソファーの隣にある黄色いオブジェ、あちらはどういったものですか？映像を作っていて、すごく気になって。

中村佳穂　奄美大島で活動するアーティスト今田智幸さん（<a href="https://instagram.com/woodworks.cue?igshid=MzRlODBiNWFlZA==" target="_blank" rel="noopener">woodworks CUE</a>）の作品です。主に現地の木を用いて、お皿などを創作されているんですが、私はこのオブジェに一目惚れ。これをバックに、シャインマスカットを頬張りながら初めてインスタライブをした。あの日が懐かしいです（笑）。
渡部克哉（釣部東京）　その配信、僕も必死にチェックしました。部屋の全貌がわかるかもしれん！と。
中村　あはは。そのおかげで、今田さんも作品がCG化されたことを喜んでいらっしゃいました。ちなみに「kyoto room」の方には、机の上に私の必需品ポテチもありますね。「CASE-1　よく行く場所」にも出てきたのと同じものが。

村上由宇麻（釣部東京）　主に自分が手掛けていますが、このポテチみたいに他のパートで出てきたものは、各担当からデータを提供してもらいました。なので、みんなで作っている感覚です。
中村　ここに出てくる２部屋とも、実際に私が持っている物で彩られていて。まるで本当の自分の部屋みたい。この景色を眺めているだけで、落ち着きます。
村上　そう言ってもらえて、よかったです！

CASE-4 自分の部屋

BGM「GUM」（2018年発表2ndアルバム『AINOU』収録）

高橋彩基（釣部東京）　僕の思い出深いパートは、編集を担当した「CASE-6好きな言葉・擬音」。これ、佳穂さんからもらった答えを映像化するのがとっても難しくて…。最終的にいただいたメモを、そのまま直感的に再現しようということになりました。

松永　でもこの企画では、もともと佳穂さんのオーダー通りに映像を制作するのではなく、互いのイメージのすれ違いも楽しみたいという思いがあった。だから、もはや僕らは“読解力のない人たち”として作ってみようと。双方のギャップ部分を最も象徴しているのがこのテーマだと思います。
中村　あはは！いいね。映像を観た人たちからは、このパートの感想をたくさんいただきます。「“ピ”で終わるやつおもしろかった」って。
高橋　佳穂さんが好きな“水に飛び込んでもなんかショボイ水音”を再現しようと、松永が決死の覚悟で海岸から飛び込んでいます。
松永　10回くらいダイブしたなあ…。岸へあがるたびに体がヨロヨロになって。結局、怖いもの知らずで勢いよく飛び込んだ一発目がいいってことになったよね。
渡部　そうだね。あと、釣り人の邪魔にならないスポットを探しまわった。“飛び込みやすい場所”という視点でロケハンしたのは人生初でした（笑）。
中村　飛び込む姿が絵にならないといけないですしね。ありがとうございます！

高橋　あと、実はこの映像はテープ式ビデオカメラで撮影しています。普段と違うトーンで“味”を出したくて、このシーンのために購入しました。
松永　おかげで90年代の雰囲気が生まれたし、全体のテイストを決定づけることができたなと。
中村　うんうん。この懐かしさ、いい味だと思う！

CASE-6 好きな言葉・擬音

BGM「永い言い訳」（2018年発表2ndアルバム『AINOU』収録）

中村　このパート、すごく印象深い。すれ違う人がもれなく笑っている…。
村上　冷静に考えると、このテイストで納品したのがすごいですね。ちょっとホラーだし（笑）。
松永　佳穂さんの記憶そのまま、「道ゆく人がみんな笑顔」というのを絵にしようとしたけど、これも映像化が難しかった。ベルトコンベアに乗ったにっこり顔が向かってくるとか、人々の間をミニ四駆で疾走するとか…どれもしっくりこなかったけど、鉄道に幼い佳穂さんを乗せてプラレールで走らせてみたら、すべてがちょうどよかった。

渡部　そうだね。佳穂さんの目の前に現れる人たちの表情は、あえて全部同じにして、服装とヘアスタイルでバリエーションをつけています。で、「AINOU」というつづりを、こっそりみんなの髪の毛のハイライトに使ってね。
中村　うわ、ほんまや。気づかんかった！すごいなあ。

松永　ちなみに、映像が出来上がって佳穂さんにチェックしてもらった時に、最初に設定していたBGM「永い言い訳」を別の曲にした方がいい、と指摘してくださいましたよね。でも差し替えた後、最終的に元に戻した。その理由はなんだったのでしょう。
中村　このあとに続く、「CASE-9印象に残っている夢」への流れを考えて。前は「永い言い訳」よりも、もう少し静かな曲を提案しましたよね。このパートの印象が、より昔の出来事のように感じられるかなと思ったんです。でも、いざ別のBGMで視聴してみたら、「CASE-8 一番古い記憶」と「CASE-9 印象に残っている夢」が強く繋がっているように見えてしまって。今回の作品は、テーマごとに世界観が全く異なっているバラエティ豊かな映像がテンポよく並んでいたし、それが素敵だと思ったので、当初の「永い言い訳」に戻した方が個が引き立つと感じて戻してもらったんです。
松永　なるほど。僕らとはまた違った視点で選曲されていたので、色々と発見がありました。
中村　こうやって互いの意図を交換するの、面白いですね。そういえば、他のパート含め、皆さんはどうやってBGMと映像の組み合わせを決めたんですか？映像の“種”と曲の雰囲気がハマるものを探すとか？
村上　映像を大方作り終えてから、佳穂さんの曲と同時に再生してみて、一番しっくりくるペアを探しました。かなり地道に。
中村　なるほど！確かにそうしたら、自然に相方が見つかりそうですね。

CASE-8 一番古い記憶

BGM「忘れっぽい天使」（2018年発表2ndアルバム『AINOU』収録）

渡部　ラストは松永が担当したパート。地球が滅亡する日にどうやって過ごしたいか、という究極の質問を投げかけてみました。
中村　私はきっと、大事な友達とドライブをして、お気に入りの布団をかぶって、安心した気持ちで景色を見ている。その時間は多分、「悲しい」や「寂しい」よりも、「楽しい」と感じるんじゃないかなって。
渡部　すごく素敵な、佳穂さんらしい回答だなと思いました。BGMの「忘れっぽい天使」とも相まって、いいパートになった気がします。
松永　あと、これは僕の自己満足なんですけど…実は窓辺のシーンは、アニメ『攻殻機動隊』へのオマージュになっています。
渡部　やたら窓の位置にこだわるなと思っていたけど（笑）。松永にとっては、どうしてもやってみたい表現だったんだね。

中村　そうだったんだ！後でもう一回観てみよう。そういえばこの窓辺、冒頭の「CASE-1 よく行く場所」に登場する部屋と同じものですよね。これは意図してのことですか？
松永　まさに、“地球最後の日”という非日常的な設定をじっくり考えるうちに、「もしかしたらそんなに特別な瞬間でもないかもしれない」と思うようになって。そこで日常＝冒頭に登場したのと同じ部屋を登場させて、前者は朝、そして最後は夕方で締めようかなと。とはいえ、地球が滅びる当日というのは非常事態には変わりないので（笑）、隕石が降り注ぐシーンは空の発光や気候がおかしくなったような表現で、“いつも通り”と“いつもと違う”を同居させたつもりです。
村上　すべてがここで繋がって、一周するんだ。
松永　そうかもね。でも、BGMの「忘れっぽい天使」があまりにも素敵だから、本当はフルで流したくて……最初は長めにストーリーを作っていたけど、尺の問題で泣く泣く諦めました。
中村　そうだったんですね、ありがとう。私も、一番最後に最初のテーマと繋がった気がしていたので、こうやってお話を聞けて、それが本当だったんだと知って嬉しかったです。とにかく全編通して、見応えがありました。映像の本当に細かい部分にまで、自分が詰まっていた。例えば過去のMVに登場していたお餅や、インスタライブのお供になっていたマスカット、メガネのフレーム、過去の自分のヘアメイクなどなど。隅々まで“私”で構成されていて、びっくり。最高です。
高橋　僕らも嬉しいです。そう言ってもらえて。
中村　本当に、こんな風にエネルギーが込もったお返しをもらえる機会はそうそうないと思う。壮大な物語を鑑賞しているようでした。「ここはこうでね、ああでね」とディテールを説明する副音声を自分で吹き込みたいくらい！（笑）
釣部東京　それもいいかも！ありがとうございます。また一緒に作品を作れる日を心待ちにしています。

CASE-11 地球最後の日の理想

中村 佳穂

1992年生まれ。京都を拠点に20歳から本格的に音楽活動をスタート。2018年に2ndアルバム『AINOU』、2022年に3rdアルバム『NIA』を発表。細田守監督作『竜とそばかすの姫』では主人公すず/Belleの声と歌を担当した。今年5月、「ポカリスエット」リターナブル瓶のWeb動画に、新曲「スカフィンのうた」を書き下ろした。

釣部東京

主に映像分野で活動する制作集団。CG、実写、アニメーションなどを横断し、短編映画、MV、モーションデザイン、アートワーク、ライブ演出などを手掛ける。制作したコンテンツに映像作品『フジヤマさん業の仕事』、『長谷川白紙 Q13』、柴田聡子のMV『ぼちぼち銀河』、モーニング娘。'23「25th Anniversary スペースシャワーTV ID」、Dos Monosのロゴデザインなどがある。

中村佳穂の脳内をレッツ“観測”！後編

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