料理人の野村友里と花屋の壱岐ゆかりの企画による展覧会「Life is beautiful:衣・食植・住 “植物が命をまもる衣となり、命をつなぐ食となる”」。東京・表参道「GYRE」内の「GYRE GALLERY」にて、2021年11月3日(水・祝)から11月30日(火)まで開催。
料理人・野村友里と花屋・壱岐ゆかりが企画。古布や麻世妙majotaeに触れ、新たな“衣食住”を考える展覧会

「eatrip」を主宰する料理人の野村友里とフラワーショップ「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS / ATELIER」を営む壱岐ゆかりの企画による展覧会「Life is beautiful:衣・食植・住 “植物が命をまもる衣となり、命をつなぐ食となる”」が開催される。
東京・原宿の同じ敷地で隣合わせに店を構え、20年という月日をともに歩んできた野村友里と壱岐ゆかり。彼女たちは 料理と花、どちらもその本質を見つめれば、土という深いところでつながり合い、この生業において大切にすべきことは何なのかを互いに探究する旅を続けてきた。
そのなかで、2人は食(植)物という“生”を扱う日々の中で得た言語化できない感覚、その瞬間の連続を一冊の本にした『tasty of life』を2019年に出版。2人の探求は、あらゆる生物の循環をもたらす土、さらにはその循環の一部となれるような技法を今の時代なりの方法で編みだそうとすることへと向かっている。
その活動こそが、本展のタイトルでもある“Life is beautiful”に繋がっている。土の循環に暮らしがしっかりと寄り添っていたかつての衣食住から何を受けとり、どう生かし、次へとつないでいけばよいのだろうか……。この探求の過程において道しるべとなっている人たちとともに、想像を羽ばたかせ、考えを深めていく場としての展覧会になっているのだ。
本展では、美術家で近世麻布研究所所長の吉田真一郎が、古来日本において特別な布であった大麻布を今に蘇らせるべく、現代の紡績・製織技術のもと完成させた麻とは思えない、驚くほど柔らかい風合いを持つ布「麻世妙―majotae」にフォーカス。日本が循環型社会であった江戸時代、「大麻、苧麻」は、「聖なる植物」として神事に欠かせないものであり、人々の生活の中心にあった効能高い植物だった。土に育まれた大麻草の繊維を採り、積み、紡いだ糸で織り上げられた、知恵の結晶のような古い大麻布のコレクションに触れながら、これからの暮らしに生きる現代の大麻布「麻世妙―majotae」の可能性について紐解く。
この古くから繰り返されてきた営みを改めて体感し、 私たちが向かうべき新たな「衣食住」を展覧会にて見出してみては。