写真:濵田英明
カリモク家具が『「ニューオールドカリモク」 by YUKI FUJISAWA』展を開催。テキスタイルレーベル〈ユキ フジサワ/YUKI FUJISAWA〉がキュレーションし、長く愛用されてきた家具に新たな命を吹き込んだ。2025年3月29日(土)から4月26日(土)まで、「カリモク コモンズ トウキョウ」にて。
〈カリモク家具〉の展示を〈ユキ フジサワ〉がキュレート
クリエイターが集い、唯一無二のアップサイクル家具を制作

1960年代から自社製木製家具を販売してきた〈カリモク家具〉。高度な機械技術と職人の手仕事がつくる木工家具を愛する人は多い。今回の展覧会の試みは、数年あるいは数十年の時を経てきた家具を、新品に引き戻すためのリペアとはまた異なるアプローチで価値づけしようとするものだ。
コラボレートするのは、ヴィンテージ衣服のアップサイクルやハンドニットなどを用いて現代の服飾における新たな意味を探ってきた〈ユキ フジサワ〉。時の重なりを大事にし、モノを誰かから誰かへと引き継いでいく。そうしたコンセプトで、本展が企画された。
「オールドカリモク」の愛称を持つ、70年代から80年代に製造された製品に、〈ユキ フジサワ〉ならではのエッセンスをプラス。元々の塗装を丁寧に剥がして改めて塗りを施したり、虫食いの跡には金継ぎのようなきらめきを足したり…。過去の魅力を残しながら、これから先もまた長く愛されていく、そんな家具が生まれた。
本展に際して、木工作家の“うまのはなむけ”、イラストレーターの三宅瑠人、木工旋盤作家の市川岳人がユキ フジサワとともに一点ものを仕上げていった。新しい視点を加えるという意味で「ニューオールドカリモク」と名付けられた家具。その制作過程をフォトグラファーの濵田英明が丁寧に捉え、写真も展示される。
ユキ フジサワは、昭和の型板ガラス「銀河」を使ったアイテムも制作。音楽家の青葉市子の曲が流れるオルゴールも数量限定で登場し、〈ユキ フジサワ〉のものづくりを記録した書籍も先行販売される。

会場は、まるで家具の旅路。過去から今、そして未来へとつながる時間のなかで、大切なモノが生まれ変わり、新しい可能性が芽吹く瞬間に立ち会える展覧会だ。
ℹ️
『「ニューオールドカリモク」 by YUKI FUJISAWA』
会期_2025年3月29日(土)〜4月26日(土)
*日曜定休
会場_Karimoku Commons Tokyo 1F ギャラリースペース
住所_東京都港区西麻布2-22-5
時間_12:00〜18:00
入場料_無料
Text_Motoko KUROKI