初夏の足音が聞こえてきたら、旅に出たくなる。5月16日は松尾芭蕉がおくの細道へ出発したとされる”旅の日”。編集部員それぞれの旅の形をリレーでお届けします。
FROM EDITORS 初夏の旅 妄想・新緑の東京ツアー

Early Summer Trip 6
出不精なもので、旅には縁遠い暮らしをしています。ガイドブックを見たり、旅行サイトを覗いては、例えばこの休日はここに行き、これをして、なんて想像ばかりが膨らむ日々(実行にはなかなか移さない)。風薫る五月のいま、一番実現したい・かつ実現できそうなのが、”スカイバスで東京を巡る”こと。銀座や有楽町あたりをぶらついていると走っている、真っ赤な屋根なし2階建てバス。あれにいつか乗ってみたい!と気にしはじめて数年、でも今更いつ乗ればいいのだ?と機会を見いだせず、結局まだ乗れておらず。そして6月号を制作中、”初夏らしいもの”への思いが高まっている時のこと。スタッフから「あのバスは視線が変わって気持ちがいい」との話を聞き、屋根もなく風を存分に浴びながら、新緑の空気を吸って…ああ、絶対にいい!5月こそ、あのバスに乗ろう!そう心に決めました。
スカイバスは浅草方面やお台場方面、あるいは夜景など、コースも充実。まず狙うは定番どころの詰まった「東京タワー・レインボーブリッジコース」50分1800円
日比谷から皇居のお堀、そして東京タワーへと、街の賑わいと静けさが連なるザッツ東京な光景を、高い位置から眺めるのはさぞ新鮮なことでしょう。たくさんの観光客に囲まれてバスに揺られるというのも、誰かの旅にまぎれこんだようで悪くない。重ねて、東京五輪に向け街じゅう工事だらけの近ごろ、一つの建物がなくなって隠れていた景色がひょこっと見えたり、あるいは気づかないうちに新しいビルができていたりと、今しかない様子を堪能して……あぁ、想像ばかりが広がってゆく。近場でも違ったレイヤーで大きな旅気分を味わえる、初夏を満喫するには一番身近な方法。今週末あたりトライしようと思ってます。
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Chizuru
GINZA編集部5年目。ちなみに今年の夏は、越後妻有のトリエンナーレへ行く予定。うかうかしてたら、宿が取れなくて焦ってます。