秋の新作コレクションを身にまとうのは、女性デザイナーがラブコールを送る4名の女性たち。作り手が信頼を寄せる、確かなセンスと魅力的なパーソナリティ。デザイナーからのメッセージとともに、オンリーワンのINスタイルを感じたい。
確かなセンスはここに。強さを秘めた〈シーロン〉の服で〝ガーリー〟を超えろ!

吹上 恵
(「gigina」オーナー)
SIIILON
トップ ¥45,000、パンツ ¥55,000(共にシーロン)/その他*モデル私物
「〈シーロン〉の服はピュアで素朴な印象ですが、芯の部分に野性的な強さを感じます。時代とともに変化をすることがあっても、流されることなく、自分の作りたいものを追求する。そういったデザイナー、Oyuiさんの姿勢に私も心から共感しますね。〈シーロン〉らしいノスタルジックな白のフリルブラウスとフリルパンツ。今日はスポーティなバックパックや厚底ローファーを合わせて、〝ガーリー〟に留まらない化学反応を表現してみました」
「芯が通っていて、自分に対してストイックな吹上さん。目に見えない服をまとっているようでもあり、確立した何かを内に秘めた不思議な雰囲気がとても好きです」〈SIIILON〉デザイナー/Oyui
IN&OUT!デザイナー、Oyuiさんに聞きました。あなたにとってのIN & OUTは?
IN
TPOに合わせるのではなく、その日の自分の気持ちで着たいものを正直に選んで着ること。
OUT
ベーシックなスタイルに偏り過ぎること。
🗣️
吹上 恵 (「gigina」オーナー)<br />
1996年、北九州初のセレクトショップ、「gigina」をオープン。2016年より、東京・代官山にてアポイント制ショップをスタート。“身につけるアート”をテーマにしたセレクトにファンが多い。
haru.
(『HIGH(er) magazine』編集長)
kotohayokozawa
トップ ¥28,000、ワンピース ¥22,000(共にコトハヨコザワ)/その他*モデル私物
「初めて買ったデザイナーズクローズが〈コトハヨコザワ〉。『ハイアーマガジン』とのコラボレーションも何度か行いました。横澤さんはリサイクルショップで掘り出し物を見つけるセンスと、ハイファッションの感覚の間を自由に行き来しているのが面白い。あと、私ドレスアップが苦手なんですが、今日着たプリーツワンピースはそういう時にも便利。普段のテンションの延長線上で、少しだけフォーマル感をだせるのがいいんですよね」
「何を着ても似合うし、ラフな格好であるほどはまる。これはすごいこと!着こなしではなく、haru.さん自身の生き方や考えがスタイルににじみ出ているからだと思います」〈kotohayokozawa〉デザイナー/横澤琴葉
IN&OUT!デザイナー、横澤琴葉さんに聞きました。あなたにとってのIN & OUTは?
IN
新しいものと古いものを混ぜた時空超えスタイリング。
OUT
そりゃたまには失敗する日もある。
🗣️
haru. (『HIGH(er) magazine』編集長)<br />
1995年生まれ。高校時代をドイツで過ごし、2015年、東京藝術大学在学中に『HIGH(er) magazine』を創刊。今年6月には新会社「HUG」を設立。コンテンツプロデュースと、アーティストマネージメント事業を展開する。
須藤絵里子
(〈WACCOWACCO〉デザイナー)
PONTI
ジャケット ¥57,000、ロングTシャツ ¥22,000、パンツ ¥37,000(以上ポンティ)/その他*モデル私物
「バイヤー時代に展示会にうかがったのがデザイナー、平田さんとの最初の出会い。〈ポンティ〉の服は、生地の選び方や柄合わせが面白く、ニットのデザインもユニーク!そして、ひねりの効いたルックからも〝らしさ〟を感じます。リバーシブルで使えるサテンジャケットは、表地はチャイナ柄、裏地はピンストライプと意表を突く組み合わせ。ネオンカラーのロングTシャツを差し色に、〈ワッコワッコ〉の新作バッグでウエストマークしました」
「明るいお人柄にも通じる、フレッシュな色使いやバランス感。どんな服を着ていても須藤さんらしさを感じられる、独特の佇まいと空気感に惹かれます」〈PONTI〉デザイナー/平田信絵
IN&OUT!デザイナー、平田信絵さんに聞きました。あなたにとってのIN & OUTは?
IN
ひとつのイメージにまとまり過ぎないこと。
OUT
洋服に着られているように見えてしまうこと。
🗣️
須藤絵里子 (〈WACCOWACCO〉デザイナー)<br />
セレクトショップのバイヤーを務めた後、2016年AWよりバッグブランド〈WACCO WACCO〉をスタート。ヴィンテージ生地やエコ素材を解体・再構築したコレクションに注目が集まる。
比留川 游 (モデル)
MAISON EUREKA
ジャケット ¥79,000、パンツ ¥49,000、ベルト ¥14,000、シューズ ¥39,000(以上メゾンエウレカ | オン・トーキョーショールーム)/その他*モデル私物
「初めて買った〈メゾンエウレカ〉は、ビッグサイズのデニムパンツ。メンズライクでベーシックなデザインに惹かれて、それから毎シーズンチェックしています。今季のセットアップは、ジャケットのオーバー具合とパンツのテーパードシルエットが秀逸。他では見られない絶妙な色使いにも惹かれます。プライベートでも交流があるデザイナーの中津さんはとってもチャーミング!よい意味でマイペースだから一緒にいて居心地がいいんです」
「比留川さんは誰にでもフラットに接し、自分らしく振る舞える女性。そんなふうに肩の力を抜けるからこそ服がよりよく見えるし、服も彼女の魅力を引き出すことができるのではないでしょうか」〈MAISON EUREKA〉デザイナー/中津由利加
IN&OUT!
デザイナー、中津由利加さんに聞きました。あなたにとってのIN & OUTは?
IN
ライフスタイルに合った着こなし。一見普通なアイテムをサイズ感やバランスで遊びたい。
OUT
個性的なアイテムを一番目立たせて着ること。
🗣️
比留川 游 (モデル)<br />
1986年神奈川県生まれ。ファッション誌、ビューティ誌を中心に活躍中。透き通るような美しい肌と潔いショートヘアがトレードマーク。今秋、気になるのはスカーフを取り入れたスタイリングだとか。
チャーミングバスターズとは?
90年代のアメリカで使われたスラング。女の子がなぜか惹かれてしまう人気者の男の子のこと。ジェンダーレスな今、おしゃれでその存在が魅力的なGINZAガールズを敬意と親しみを込めてチャーミングバスターズと呼んでいます。
Photo: Mayumi Hosokura Text&Edit: Sakiko Fukuhara