平成元年生まれのオタク女子4人組からなるグループ「劇団雌猫」が、オタク心を持つアラサー読者の日頃の悩みをズバっと解決。応募フォームに集まった人生相談にメンバーである、かんさん、ひらりささん、もぐもぐさん、ユッケさんが月替わりで回答します。前回のお悩みはこちら。
上京を考え中。東京で暮らす時に気をつけた方がいいことって?【劇団雌猫 愛と浪費のおなやみ劇場 vol.8】

質問
今月の悪友:あんちゃんさん
「劇団雌猫のみなさま、はじめまして。いつも連載や書籍を楽しく拝見させてもらっています。私の相談内容は、東京で働く人のお住い事情です。私は地方に住むアラサー、いま転職して上京を考えております。転職理由は、クリエイティブ系の職種が東京に集中しており、田舎には選べるほどの選択肢がないこと、マイカーを持たなくても生活できることです。上京後の住まいは、落ち着くまでは費用を抑えられるシェアハウスか、友人とのルームシェアを考えています。どちらも未経験ですが、意外とやっていけるのでは?と楽観的に考えています。貯金もしたいし、趣味にもお金を使いたい。とりあえず寝る場所と収入があれば大丈夫かな、と思っていますが、実際のところ東京には住んだこともないので、具体的な想像ができず不安です。背中を押してください!」
劇団雌猫からのアドバイス
今月の回答者:ユッケさん、かんさん
ユッケ 今回は、私、ユッケとかんがお送りします!上京についてお悩みとのことだけど、私たちも、劇団雌猫の中の地方出身組だよね。私は九州、かんは関西から上京しました。かんは、いつから東京に出てきたんだっけ?
かん 私は就職の時!就活中は面接のたびに新幹線移動、しんどかったなぁ~。ユッケさんは?
ユッケ 私は、大学進学を機に上京しました。入試の時期は、慣れない都内のホテルに1週間くらい泊まってたよ…。
かん 大変…。どうして上京しようと思ったの?
ユッケ 中学生くらいの時から漠然と「将来は東京で働きたい!」と思ってたんだよね。だから大学受験の時も、東京の大学しか眼中になかった。思い切ったという感じはなくて、「いよいよ東京行ける!人生第二章のスタートや!!」っていう気持ちで満ち溢れてたよ。かんは?
かん 私、お母さんが大好きだから、一人には出来ないってずっと思ってたのね。でも、大学卒業直前に結婚が決まって、相手が東京で働いていたから、東京で仕事を見つけないといけなくなったの。お母さんを置いていくのが嫌で駄々こねてたら、夫と母に諭されて上京する覚悟を決めた。張本人の母に…。
ユッケ なるほど、夫の仕事との兼ね合いがあったわけか。相談者さんは、東京に出たい意思は強そうだよね。上京するうえで気をつけたほうがいいことって何だろう?
かん 東京ってキラキラした人が多いから、「どうなりたいか」「東京で何をしたいか」とか、指針みたいなものは持っておいた方がいいかもしれない。今は「とりあえず東京に行きたい!」っていう気持ちになっていると思うんだよね。
ユッケ ふむふむ。
かん 例えば、相談者さんはクリエイティブ系の仕事がしたいって書いてあるけれど、クリエイティブ系の仕事ってコネクションさえ作ればあとは遠隔でフリーランスで仕事してるっていう人も多いじゃない?だから、3年くらい東京で頑張って、そういう仕事の仕方ができるようになった時に、それでも東京にいたいのかは考えておいてもいいかもしれない。何をゴールとしたいか、だと思うんだよね。
ユッケ もしかしたらそれも、東京に住んでみてわかることかもしれないしね。いずれにせよ、住んでみて「合う」「合わない」は絶対にあるから、いざという時に戻れる場所を確保しておいた方が気持ち的には安心かも。
かん ユッケさんは、東京に来て一番良かったことって何?
ユッケ それはもう、毎日楽しいことです!いろんな人がいて、いろんな遊ぶところがあって、毎日違うことできて、飽きない。あとは、やっぱり私はミーハーなので「この人に会いたい!」って思う人には、東京にいた方が会いやすいなぁと思う。推してるアイドルの現場も東京の方がたくさんあるし、好きな作家さんの書店イベントにも仕事終わりにサクッと行けるし。
かん たしかに、それは東京ならではの良さだよね。逆に、気をつけないといけないこととしては、やっぱりお金かな。
ユッケ それはある!東京は家賃と物価がめちゃくちゃ高いから、近郊の埼玉とか神奈川に住むのもありかもしれないね。関東圏は電車が発達してるから、意外と住所が「東京都」じゃなくても仕事にも遊びにも出やすい。都内の現場で毎日のように会うオタク友達の中にも、そういう子たくさんいるし。
かん いわゆるベッドタウンね。お金に関しては、本当に苦しくなる可能性はある。私、新卒1年目の時なんかは銀行残高300円になってATMで引き出せない、詰んだ、みたいなことが毎月起きてたからね…。口座の残高チェックは遅くとも木曜夜までに、が鉄則。残高がなくて最悪親とかに振り込んでもらう場合に、土日に間に合わなくて飢える可能性があるから。
ユッケ ここでもかんの人生を握っている、親…!やっぱり大きく節約できるポイントは家賃だと思うから、もし仕事がまだ決まっていないのであれば、家賃補助がある職場にするとか、そういう面から探してみてもいいかもしれない。あと、繁忙期に焦って家を決めると家賃が高くなる可能性があるので、余裕を持って職探し・家探しはした方がいいと思う。
かん うんうん。シェアハウスやルームシェアをしてみて合わなかった時に逃げ出せるよう、東京にいくつか身を寄せる先を確保しておくとかも大事かも…。
ユッケ 「いざという時のため」っていう考え方がやっぱり大事だね。あと、これは的外れだったら申し訳ないのですが、相談者さんの文章から読み取れる楽観的なところが私に似ている気がしていて(笑)。そんな私から言っておきたいのは、東京は楽しすぎて自制が効かなくなって浪費しまくる罠があるから気をつけてほしい、ということです。
かん わかる。秒で消えるよね、残高…。
ユッケ ホームシックには一度もならなかったけど、欲に負けて散財した経験は山ほどあるから…。自分をしっかり持っていてほしいです。
かん 指針をブラさず、誘惑に負けすぎず、逃げ場を確保する!というところでしょうか。
ユッケ そうだね。それさえ気を付ければ、東京は楽しい街です!
かん 東京で待ってます~!
☆次回はひらりさ・もぐもぐが登場します☆
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劇団雌猫
Illustration: Maiko Sugiyama Composition: Sae Ota Edit: Karin Ohira