出会いもラブストーリーも突然だ。犬も歩けば棒に当たるし、街を歩けばメンズにぶつかる。放浪ライター・銀座ドープネスが、どこか気になるメンズの私物をいきなり調査。
メン・イン・バッグ vol.2 國澤博司さんとカバンの中身

こんばんは。前回に引き続き夜です。メンズにとって夜の散歩は自問自答の時間。盗んだバイクで走り出したりせずに、iPhoneとタバコとイヤホンだけ持って冷静に歩き出すのがナウい気がする。あ!さっそくメンズを発見。
闇夜に潜むはメンズ
「こんばんは!銀座ドープネスと申します。散歩ですか?」
「こんばんは。國澤です。散歩の途中でコレを見つけたところです。」
「へえ〜(何コレ?)・・・それより、カバンの中身、見せてください!」
「いいよ!」
國澤さんのカバンの中身。
1.作者不明のアートピース、 2.SNEAKY WIPES スニーカー拭き、3.LANDCAST 空気入れ、4.DAWG MAFIA FAMILY ステッカー付ピルケース、5.BIC ペンケース、6.Loales 電子タバコ、7.MOLESKINE 手帳、8.blackmeans ポーチ、9.Hender Scheme 工具入れ、10.Oliver Peoples サングラス、11.幸始一『危機一髪』、12.かわだまさき『鉄腕ポピイ』、13.凡天劇画会・編『番外地劇画 凡天太郎の魅力』、14.MIN-NANO×PORTER バッグインバッグ
1.作者不明のアートピース
「先ほど集めていたのはコレ。この辺りは最近ストリートの動きが特に活発化していて、アーティストたちがグラフィティなどの作品を街の至るところに残してる。なかでも、小さいベニヤ板に絵を描いて、フェンスやガードレールにワイヤーで固定するといったマーキング行為を繰り返してるのがこの作者。ゴミとして撤去される前に、見つけ次第 個人的に保護しています。」
9.Hender Schemeの工具入れ
「この中にいつも入っているlucettaのLEDライトはマグネット式。バイクライトなので磁力も明るさもかなり強い。ボタンは無くて、付ける度にライトの光り方が変わる優れものです。白と赤で交互に点滅したり、点灯し続けたりする。」
11.兎月書房/かわだまさき『鉄腕ポピイ』、12. 幸始一『危機一髪』
「これは仕事用の資料。まだ版権意識が低く、海外アニメなどからキャラクターを無断使用した本がたくさん発行された昭和33年頃の2冊。レバーの缶詰を食べるとパワーアップする『鉄腕ポピイ』はポパイのパクリ!『危機一髪』についてはまだ調査中。」
13.凡天劇画会/凡天劇画会・編『番外地劇画 凡天太郎の魅力』
「主宰する研究サークルで発行した、刺青師・凡天太郎の研究本。新宿のビームス ジャパン4F「TOKYO CULTUART by BEAMS」にて開催中のイベント『凡天太郎『ズベ公・チンピラ・タトゥー』展(1/19〜2/7)』でキュレーション全般を担当してるので、再読してます。」
14. MIN-NANO×PORTERのバッグインバッグ
「A4サイズのフライヤーもばっちり入る。これは主催しているイベント『資料性博覧会』のやつ。資料系同人誌の即売会で、ありがたいことに今年でちょうど10周年!毎回ポップカルチャーの研究サークルがたくさん参加してくれています。次回開催は5月。」
國澤さんの今日の服装。
「バッグはLQQK STUDIO。しっかりとした生地の固さや、ナイロンコードのストラップがリフレクターっぽく光るところもお気に入り。」
キャップ: LQQK STUDIO、メガネ: 白山眼鏡
パンツ: uniform experiment、ソックス: BACON、シューズ: VANS
ジャケット: DIGAWEL
マフラー: SUNSEA×MIN-NANO
「自転車はLINUSの “ROADSTER CLASSIC”。子どもが小さいうちはお出かけの荷物が増えがちなので、前カゴ部分に大きなバスケットが欲しかった。そのイメージと予算を伝えて、MIN-NANOのゴローさんにお任せでカスタムしていただいたもの。」
「やりたいことを形にしてて羨ましい。本に関しても、自分で執筆したり、イベントを企画したり。」
「職場でもある『まんだらけ』のマニア館では、何十年も前に埋もれてしまった名作を単行本化して、限定発行して店頭に並べたりもしてます。例えば、ウルトラQの放送開始と同時期に発行された怪獣SFとか。」
「まんだらけ中野店 4F マニア館」東京都中野区中野5-52-15、電話番号: 03-3228-0007、営業時間: 12:00~20:00、年中無休。
「確かにどれもマニアックな感じがする。でも持ち物のマンガ本も含めて、なんだか全部面白そう。」
「この時代にマニアックなもの、賛否あるものを扱うことの難しさも当然ある。でも本当に面白いものを文化として残していきたくて、仕事以外でも色々動いてます。せっかく価値のあるものも、扱う人がいなければ捨てられてしまうからね。」
ふと気付けば仕事用エプロン姿の國澤さん。そんなカッコいいことを言いながら、なぜか僕の靴を真っ白にしてくれた。
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銀座ドープネス<br />
1994生まれの乙女座。ラッパーではない。尾崎豊で好きな曲は「15の夜」より「スクランブリング・ロックンロール」。