〈ステラ マッカートニー〉がブランドの価値と展望を表すマニフェストを発表。AからZを頭文字とした26の単語からなり、各アルファベットのアートワークは世界各国のアーティストたちが手がけている。新作とともにブランドのDNAを学ぼう。
〈ステラ マッカートニー〉マニフェスト辞典。ブランドの新たなシグネチャー【A-G編】

【A】
Accountable
説明責任
©Rashid Johnson, 2020
写真のファー フリー ファーコートは、昨年発表されたアーカイヴを再利用している。通常フェイクファーの原材料となるアクリル系繊維はリサイクルできず地球環境にも優しい素材ではないが、循環型のものづくりをめざすステラ マッカートニーは「KOBAⓇ」を開発。37%が植物由来のため、従来の合成繊維に比べエネルギー消費量は最大30%、温室効果ガスの排出量を最大63%減少させることを可能にした。
【B】
British
ブリティッシュ
© Peter Blake
セント・マーチン美術大学在学中、サヴィル・ロウで修行した経験があるステラ。ビートルズ御用達のテーラー、エドワード・セクストンの指導を受けていた。幼い頃両親がワードローブをシェアしていた思い出もあり、性別を感じさせない英国調スーツを得意としている。長年着続けることができるタイムレスなデザインであることも特徴。
【C】
Conscious
コンシャス
Chantal Joffe and Victoria Miro Gallery
構築的なトレンチコートは従来に比べ、水と農薬の使用量が少なく、環境に優しい麻や綿が混紡されている。2001年のブランド設立以来動物皮革を一切用いず、意識的に植物由来の素材を選択するステラ。このコートでもレザーを使用するのではなく、牛のモチーフをプリントしている。
【D】
Desire
願い
©Erte Archives
女性たちが着たいと望み、投資する価値があると感じ、ずっと大切にしたいと思う服を作ることがサステナビリティにつながる。「D」のアートワークはステラが幼い頃から愛するフランス人イラストレーター、エルテによるもの。彼のアーカイブ作品は2020-21年冬のインスピレーション源の1つにもなっている。
【E】
Effortless
エフォートレス
© Cindy Sherman, 2020
“ステラウーマン”は自然体で自由な精神を持ち、洗練されている。「E」のアートワークはシンディ・シャーマンが手がけた。シャーマンはステラのアーカイヴを着用したセルフポートレート作品を今年NYのギャラリー、メトロ・ピクチャーズで発表している。
【F】
Falabella
ファラベラ
©︎Lorenzo Vitturi
2010年に登場したアイコンバッグ。名前はステラが愛する馬の品種から名付けられた。動物由来の素材を一切使用しておらず、裏地はペットボトルなどをリサイクルしたポリエステル製。チェーンは無限にリサイクル可能で環境への負荷が少ないアルミニウムへと移行している。
【G】
Grateful
感謝
© George Condo, 2020
「クリエイティブな日々を過ごせて本当にありがたいと思う」というステラは、子どもの頃からの夢を実現させてデザイナーに。コレクションでも刺激を受けた才能豊かな人々への感謝の気持ちを表現している。
問い合わせ
ステラ マッカートニー カスタマーサービス
Tel: 03-4579-6139
Text&Edit: Itoi Kuriyama