8月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
こんな言葉の連なりは目にしたことがないと多くの読者が思うはず。市川沙央『ハンチバック』
8月のG’s BOOK REVIEW
『ハンチバック』
市川沙央
両親が遺したグループホームで暮らす重度障がい者の井沢釈華は、風俗ライターとしてPV稼ぎの記事を書いている。あるとき男性介助者にSNSの匿名アカウントを見破られた釈華は、彼に取引をもちかけるが──《生まれ変わったら高級娼婦になりたい》《普通の人間の女のように子どもを宿して中絶するのが私の夢です》と密かに書き綴る釈華。こんな願望、こんな言葉の連なりは目にしたことがないと多くの読者が思うはず。衝撃の中編。
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Recommender: 北村浩子
今月心に残った一文。《苛立ちや蔑みというものは、遥か遠く離れたものには向かないものだ》(『ハンチバック』より)