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🎨CULTURE
大人の善意の道具だった人生を捨てられるか?寺地はるな『白ゆき紅ばら』|G’s BOOK REVIEW

『白ゆき紅ばら』
寺地はるな
(光文社/¥1,760)
内縁の夫婦が、行き場のない母子や親のない子を住まわせていた「のばらのいえ」。ここで育った同い年の祐希と紘果は、18歳の時の祐希の脱走で離ればなれになる。10年後に再会した2人はそれぞれの絶望を抱えていた。大人の善意の道具だった人生を捨て、生き直すことはできるのか。ある人物が口にする「Good girls go to heaven, bad girls go everywhere.」という言葉が鈍く優しい光を放ち、彼女たちの行き先をひそかに照らす。
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Recommender: 北村浩子
ライター、フリーアナウンサー。今月心に残った一文。「老人になるまで生き延びるためにはたくさんの幸運を手に入れなければならない」(『白ゆき紅ばら』より)