新谷雅弘《『ポパイ』表紙レイアウト原稿》2023年(再制作) ©マガジンハウス ®Hearst Holdings,Inc.
2024年9月2日(月)まで、「島根県立美術館」にて企画展『開館25周年記念『アンアン』『ポパイ』のデザイン 新谷雅弘の仕事』が開催。今に続くエディトリアルデザインの源流に触れられる機会となっている。
デザイナー新谷雅弘の仕事を70年代〜80年代を中心に展示
新谷雅弘《『ポパイ』表紙レイアウト原稿》2023年(再制作) ©マガジンハウス ®Hearst Holdings,Inc.
2024年9月2日(月)まで、「島根県立美術館」にて企画展『開館25周年記念『アンアン』『ポパイ』のデザイン 新谷雅弘の仕事』が開催。今に続くエディトリアルデザインの源流に触れられる機会となっている。
平凡出版(現マガジンハウス)から1970年に創刊した雑誌『アンアン』のアートディレクターを務めたのは堀内誠一。そのもとで誌面デザインに携わっていたのが、新谷雅弘だ。新谷はその後、1976年創刊の雑誌『ポパイ』のアートディレクターに就任し、編集者が集める大量の記事素材をカタログ的に構成する独特のレイアウトで80年代の雑誌カルチャーを象徴するようなデザイン表現を作り上げた。
そんな新谷は島根県隠岐郡に在住。「島根県立美術館」の開館25周年を記念する展覧会が、新谷のデザインをテーマに企画された。展示は70年代と80年代の誌面を中心に構成。「雑誌のデザインは編集部を描いた絵」「雑誌のレイアウトに課せられているのは人間くさい部分の表現」といった新谷のデザイナーとしての哲学を考察する。
雑誌というメディアとともに興隆したエディトリアルデザインの世界。情報をまとめ、それらをどんなふうに面白く、キャッチーに提示するか。デジタル全盛の今でも、考えなければいけないことはきっと変わらない。ひとつの時代を作ったデザイナーの仕事を通して、クリエイティブであるということについて、思いを巡らせてみたい。
展覧会期間中は、『ポパイ』の誕生について新谷と編集者・石川次郎が語るトークや、カセットテープ専門店「waltz」オーナー角田太郎の講演など関連イベントも開催される。
会期_2024年6月28日(金)〜9月2日(月)
*火曜休館。ただし8月13日(火)を除く。
会場_島根県立美術館 企画展示室
住所_島根県松江市袖師町1-5
時間_10:00〜日没後30分(入場は日没時刻まで)
tel_0852-55-4700
観覧料_一般1,100円(企画展+コレクション展/当日券1,450円*企画展のみは1,300円)、大学生800円(同/当日券1,100円*企画展のみは1,000円)、小中高生400円(同/当日券500円*企画展のみも同額)
【トークイベント「『ポパイ』はどのように生まれたのか」】
開催日時_8月24日(土)14:00
講師_石川次郎(編集者)、新谷雅弘(デザイナー、本展監修者)
*聴講無料、当日先着順
【現在進行形のカセットテープ概論】
開催日時_7月21日(日)14:00
講師_角田太郎(「waltz」オーナー)
*7月7日(日)までに事前申し込み制。参加希望者は問い合わせフォームより連絡を。
Text_Motoko KUROKI