ガブリエル・シャネルから連綿と続く、映画との密な関係。衣装提供や映画祭、次代の才能のサポートと、これまでも〈シャネル〉は作り手に寄り添い、貢献してきた。そしてついにここ日本でも、是枝裕和とのメンターシッププログラムである「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS」の一環として、11月27、28日にマスタークラスが開催された。是枝裕和はじめ、ティルダ・スウィントン、役所広司、安藤サクラ、西川美和らを講師に迎えた稀有な2日間をレポート。
〈シャネル〉が送る、若きフィルムメーカーの学びの場
是枝裕和、ティルダ・スウィントンらによる講義とは

「CHANEL AND CINEMA - TOKYO LIGHTS」は、映画監督の是枝裕和とともに、若き監督やフィルムメーカーたちのクリエイティビティを支援する学びの場。セッションの参加者はコンペティションに応募する資格を得る。そこから選ばれた3名はサポートを受けながら、2026年に東京、パリにて作品を披露することができるという取り組みだ。
初日の「イントロダクション」では是枝と、師弟関係でもある西川、そして俳優のスウィントンから〈シャネル〉との出合いや、プログラム立ち上げの経緯について語られた。「本来は映画業界がやるべき取り組みですが、このような形で支援をスタートしたことで、継続していければ」と是枝。日本映画界の将来や人材育成について考えていた折に、〈シャネル〉との縁に恵まれたと言う。
「トーク」では、是枝と西川の両監督が役所、安藤、そしてスウィントンら講師陣を対談相手に迎え、俳優としての歩みを振り返った。演じることへのアプローチやキャラクター構築、監督との関係性の築き方など、映画界の第一線で活躍する彼らならではの示唆に富む会話を繰り広げた。

「ワークショップ」では、この日のために書き下ろされた台本を元に、若手演出家、俳優らがステージ上で実演。時には安藤やスウィントンら講師自身も加わり、監督が俳優たちとシーンを作りあげていくプロセスを模索した。参加者との熱い質疑応答も飛び交い、実践的かつインタラクティブな授業となった。
「CHANEL AND CINEMA – TOKYO LIGHTS」の次なるステップは、ショートフィルムコンペティション。2026年の作品発表に向けた第一歩として、映画監督の志望者は8分間のショートフィルムの脚本を提出する。2026年以降は、第2回目となるマスタークラスおよびショートフィルムコンペティションが開催される予定だ。これからの〈シャネル〉とフィルムメーカーたちの取り組みも、目が離せない。
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