街に出れば右も左も観光客!な2025年の東京。彼らの視点を通して慣れ親しんだこの街を見てみたら?海外を拠点に活動するデザイナーやスタイリストに、お気に入りの過ごし方を教えてもらいました! #海外クリエイターに聞く、東京の楽しみ方
〈ステファン クック〉デザイナーに聞く、東京の楽しみ方
作業着専門店『萬年屋』や代官山のレトロ喫茶など

〈ステファン クック〉デザイナー
STEFAN COOKE & JAKE BURT
作業着専門店やレトロ喫茶など
抜群の嗅覚でたどり着いたディープな場所
ロンドンを拠点に気鋭ブランド〈ステファン クック〉を共に手掛ける二人。東京は昨年初めて訪れ、1年と経たないうちに再訪する機会に恵まれた。2度の滞在で印象に残ったことを尋ねると、マニアックな答えが返ってきた。「東京に到着してまず、工事現場で働く人々のスタイルに驚きました。色合いやディテール、素材がかっこいい。それで、作業着を売っているお店を検索して見つけたのが、新宿の専門店『萬年屋』。ここが素晴らしかった!ジャケットやボトムから、靴、キーチェーンまで50点ほど購入して、帰国後も毎日身につけています。古着店の中で記憶に残っているのは、『ドマ ビルディング』。高円寺を歩いていたら不思議な外観の建物が目に留まり、中に入ると、ヴィンテージの洋服やオブジェが並んでいて、オーナーもとてもフレンドリー。日本の買い物文化の良さを象徴するような体験で、夜ご飯を食べた後またお店に戻ったほど(笑)」。

ファッション以外で惹かれたのは、喫茶店だという。「日本は路上でタバコを吸えないから、喫煙OKの喫茶店をとにかくたくさん探したのですが、一番好きだったのは代官山の『カフェフォリオ』。地下にあるとっても静かな空間に、一瞬で恋に落ちました。その日は台風が東京に近づいていて、友人と『最終電車に乗って、東京を離れた方がいいかな?』なんて話していたんですが、シックな雰囲気も相まって映画の中の出来事みたいだった。コーヒーも濃くて美味しい。東京に住んでいたら、仕事帰りに毎晩立ち寄るだろうなと妄想しました。それから、新御徒町の『コーヒー長谷川』にも。雨の日にレトロな雰囲気の店内で食べたチーズトーストとコーヒーは絶品でしたね」

東京の魅力って何ですか?
「散歩すると、エリアごとに雰囲気がガラッと変わることに気づきます。わかりやすい大通りや繁華街に出店せずとも繁盛している小さなお店がたくさんあるのがすごい」
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>>セントラル・セント・マーチンズ出身のステファン・クック(右)と、パートナーのジェイク・バート(左)によって2018年に設立。英国の伝統的なモチーフをユニークなシルエットに落とし込んだデザインは、日本にもファンが多い。Photo ©Theo Sion
Illustraion_Erika Horiuchi Text_GINZA