6階、13階に集結するレストランは、伝統と時代の最先端が融合する銀座にふさわしい、個性派ぞろい。美食家ライターの齋藤優子さん注目の9軒がこちら。
GINZA SIXに集結するレストラン 「美食家ライター齋藤優子さん注目の9軒」#1

NAVIGATOR
さいとう・ゆうこ
カレーを愛してやまないライター。『BRUTUS』『Hanako』等に、フード、スイーツを中心に執筆。2017年度の目標は、独自の道を歩む大阪カレー制覇。
「海外からの大物初上陸に頼らず、満を持しての姉妹店や、コンセプトを練った実力店の新業態など、安定感のあるラインナップです。ジャンル問わず、肉料理が充実している印象です。そんな中、新鮮だったのは、テラス席を含めれば約380席を占める『銀座大食堂』。古き良き時代のデパートの大食堂を連想させる、懐かしい響きのこの空間。平たくいえばフードコートなのですが、監修しているのが山田チカラ氏や、徳岡邦夫氏だったりするあたりが、なんとも銀座クォリティ。料理がオカモチで運ばれるダイニングエリアもあり、そこでエスプーマを使ったパフェが食べられるミスマッチまでが、ここGINZA SIXの食体験か、と。期待大です」
コースのメインに選べるスペシャル特選牛のハンバーグ。ナイフを入れた瞬間、肉汁がジュワッとあふれ出す。
「オザミの系列店は、銀座界隈に数あれど、真正面からビストロと銘打った店は初めて。クラシカルなフランス料理は、オザミグループの得意とするところだけに、オーソドックスなビストロ料理も、ワインがすすむ旨さでしょう」(齋藤さん)。そう、この店のコンセプトは、パリで100年以上続くビストロ料理&日本の正統派洋食。時代にとらわれないトラディショナルスタイルで、素材の味を生かした骨太な料理に仕上げている。メインが選べるプリフィクスコースはランチ ¥2,800〜、ディナー ¥4,800〜とお手頃。ワインもフランス各地からセレクト。
〈 6F 〉
ビストロオザミ
📞03-3289-4120
「ビステッカ アッラ フィオレンティーナ」100g ¥1,000〜。一皿でヒレとサーロインが食べられる、トスカーナ名物、ビステッカ。
伝統的なトスカーナ料理を中心に、イタリアの郷土料理を堪能できる。「ここのところイタリアの郷土料理店といえば、南ばやりだったが、トスカーナ料理もじわじわと人気を盛り返してきている。900℃のオーブンで焼きあげるビステッカなど、定番の料理にもひとひねりしてあるのが、興味深いところ」。ビステッカは肉本来の旨みを高めるために仕込みに手間をかけ、超高温で焼き上げ、外はカリッと、中はジューシーな仕上がりに。トスカーナ産ワインがすすむすすむ! 都内にいながらイタリアを旅している気分でゆったり過ごせる。
〈 6F 〉
il Cardinale
📞03-3573-3088
タスマニア産長期穀物 “WAGYU” ロビンスアイランドビーフのグリル 200g ¥9,075。柔らかくジューシーな肉質がたまらない。
オーストラリアのグルメ界を代表するルーク・マンガン氏が手がける新業態。オーダーが入ってから調理するタパスと、シンプルながらワイルドなグリル料理に特化し、オーストラリアの食のトレンドを堪能できる。タスマニアのロビン島で肥育される但馬牛系統の“WAGYU”は、国内ではここでしか味わえないプレミア牛。「地元の食材を使ったモダン・オーストラリアン・キュイジーヌは、昨今、世界でも注目の的。食材も想像以上においしい。そうした食材を気軽に体験するには、カジュアルダウンしたこの店舗がおすすめ」
〈 6F 〉
Salt grill & tapas bar by Luke Mangan
📞03-6264-5402
豪華な前菜から始まり、フカヒレ、点心、海鮮料理などが味わえるオープニング記念特別ディナーコース「茉莉花」 ¥7,000。
広尾、日本橋、中目黒に続く4店舗目のテーマは「和心漢菜」。中国の食文化を愛してやまない山口祐介総料理長が、中国料理が元来持つ正統な技を生かしつつ、日本の四季を表現した料理でもてなしてくれる。コースには、旬の逸品をお重に盛り込んだ前菜が登場。「今年の我が家のおせちはJASMINEでした。パンチのある香辛料使いの四川料理も、発酵食材の酸味を活かした地方料理もだけど、おせちに入った前菜の、繊細な味付けも上手いなぁと思っていたところに、この和の要素を取り入れた新店。山口総料理長の懐の深さを堪能できるはず」
〈 6F 〉
JASMINE和心漢菜
📞03-6264-5571
南インドのカレー定食「ミールス」など、シェフのスパイス使いにセンスを感じるものばかり。インド製や信楽焼の器にも注目。
南インド料理の定番「ミールス」「ドーサ」から、北インドカレーの王道となるバターチキン、そしてタンドール料理まで! 「北インド料理の名店『マンダラ』を手がける会社が、北と南から敏腕シェフを呼んでの、しかも、モダンインディアと聞けば、期待するなというほうが無理。特に南。南インド流行りの昨今なれど、それをモダンにアレンジした料理を出す店となると、東京でも希少。いままでにないプレゼンテーションやスパイス使いに期待」。世界中から選び抜いた自然派オーガニックワインはどれもボトルで ¥2,980という安さ。
〈 6F 〉
Tamarind
📞03-6264-6541
2017年4月20日(木)オープン
東京都中央区銀座 6丁目10番1号 営業時間:飲食 11:00~23:30 ※一部異なる。 https://ginza6.tokyo Edit&Text:Emi Suzuki