──長澤さんと松尾さんの掛け合いをたっぷり観られるのも楽しいポイントですね?
松尾さんとは『エルピス』でも共演したのですが、それほど絡みはなかったから、しっかりお芝居をご一緒するのはKINCHOのCM以来かもしれません(笑)。すごく嬉しかったですね。松尾さんには、松尾さんしかない独特の間やリアクションがあります。一筋縄ではない、キャラクターの独自性がやはり強いですよね。

──お二人が信頼し合って、思いっきり弾けてお芝居をしているように見えました。
松尾さんのことは、人としても大好きですし、松尾さんの作る独特な不思議な世界観も本当に好きなんです。あと、根底に「ふざけている」というのが共通してある気がします。それってやっぱり人生のテーマですよね?
──「人生のテーマ」ですか!?
私にとってはそうですね(笑)。ユーモアがないと人生、寂しくないですか? もちろんしっかりしなくてはいけない場面ではお利口にしていますけど、日々おかしみを持って楽しみながら生きたほうが幸福感も上がる気がします。
なんというか、自分が真面目にしているのがたまに恥ずかしくなっちゃうんです。そんな真面目な人間じゃないのに、舞台挨拶などで真っ当なことを話している自分が(笑)。だから、ヘラヘラしちゃいます。注目されると恥ずかしくなって、ふざけたくなってしまう。そういう感覚を、松尾さんと共有している感じがします。
──長澤さんは、舞台でも映像でも「振り切れる人」という印象があるのですが、それは恥ずかしさの反動ですか?
いや、それはきっと、健康的だからだと思います。昔からよく「生命力に溢れている」と人に言われるんです。ちょっと弾けた役をやったら、皆さんに「おお!」と驚いていただけるのは、健康な印象が強いからじゃないかな。そこは得をしているなと感じていますね。