創作のアイデア、生きるヒント、背中を押してくれたフレーズなど。ハリス・リードの“今”につながる大切な存在とは?
〈ニナ リッチ〉クリエイティブ・ディレクター、ハリス・リードに聞く、あなたのミューズは誰ですか?
muse
モニカ・ベルッチ
自分自身を受け入れ臆さない
その姿勢こそ至高のエレガンス
ジェンダーに縛られないロマンティシズムを謳うハリスさん。俳優、モデルのモニカ・ベルッチに、「2024年における美の本質」を見出しているという。
「世代を超えて引き継がれるエレガンスという価値を体現している人。それは〈ニナ リッチ〉のレガシーにも通じます。モニカも、娘のディーヴァ・カッセルと同じ〈ニナ リッチ〉の服を着たりしています。私は、タイムレスでクラシック、でも“リスク”もとった装いが好き。そして彼女はまさにそんなスタイルの持ち主です。雑誌のカバーでランジェリーを着こなしたり、メンズテーラリングを軽快に取り入れたり。モダンで刺激的な佇まいに圧倒されます」
10代の頃からモニカがアイコンだった。それが、〈ニナ リッチ〉での仕事を始めてからさらに意味を持ったという。
「自分個人のブランドとは違う服作りを考えたときに、彼女が浮かびました。優美なだけでなく、タフな女性像です。モニカは年齢や身体の変化を恐れていない。何も恥じたり隠したりせず、常にオープンで正直。それがタフネスだと思います」
実際に会ったことはまだない。本人と話せるなら、「アイコンとして生きるのはどんな感じ?」と質問してみたいそうだ。
「でも、大袈裟にセッティングなどせずにオーガニックな形で対面したいから、時機を待っているところです(笑)。クリエイション含め、すべてにおいて、自然でエフォートレスな感覚が大事。憧れとの向き合い方についても、同じことが言えるはず。対象を理想化しすぎないこと、複製になろうとしないこと。ミューズが持つさまざまな要素から、自分に合うものをピックアップしていけばいいのではないでしょうか」
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>> ロサンゼルス生まれ。2022年に26歳で〈ニナ リッチ〉のクリエイティブ・ディレクターに就任。初来日に際し、「日本女性の個性的な着こなしに感動。目を見張るような光景の連続です」と語った。
Photo_Reiko Toyama, Aflo Text_Motoko Kuroki