グラフ化されていなくても専門家が「急増している」と証言する、老化につながりかねない問題症状の数々を公開。あなたはいくつ該当する?
睡眠不足、薄毛、PMS…現代の女子が若老けから身を守るためにできること

約9割の人が「ストレートネック」
頸椎にある正常なS字カーブが失われ、首がまっすぐ、もしくは逆カーブの状態がストレートネック。
「ここ10年で急増しています。スマホやPCに向かう時間が長く、ずっと下を向いていることと、首回りの筋肉の低下が女性に多い原因だと思われます。ストレートネックは頭痛や肩こりを引き起こすだけではありません。首から肩甲骨、背中にかけて広がる僧帽筋が緊張して肩が上がるため、首が詰まって顔が肩に食いこんでいるように見えることも」(木津さん)
solution!
☑下を向いて過ごす時間をなるべく減らす。スマホなら、うつむかずに顔の高さで見るようにする工夫を。
☑デスクワーク中は1時間に1回ストレッチをする。若干前かがみの姿勢で手を組み、上に向かって伸びを。
☑歩く時間を増やす(1日30分以上)。歩行中は頭が体の中心にきて、頸椎が自然とコンディショニングされる。
睡眠時間が36分減
「眠りが浅い」人が増加?
1976年からの35年で働いている人の平均睡眠時間が36分減ったという総務省のデータがあるけれど、併せて問題視したいのは睡眠の質だと専門家。
「今は皆、寝る間際までデジタル機器に触れブルーライトを浴びているせいで生体リズムが崩れ、眠りが浅い。寝入り端の3時間はアンチエイジングに関連するホルモンが多く分泌されるタイミング。ここで熟睡できないと眠りの質が下がり老化の原因に」(白濱さん)
solution!
☑眠る1時間半前には、スマホやPCから離れる。どうしてもチェックが必要なときはナイトシフトモードで。
☑眠る1時間半前に湯船に浸かって体温を上げる(就寝時間に、眠りにつきやすい低体温の状態を作り出せる)。
☑就寝&起床時間をメモし睡眠時間が少ない日が続かないように1週間単位で調整する。理想は1日7時間睡眠。
睡眠グッズにも目を向けて。
育毛外来に通う女子の数
7年で約5倍。20代は「総薄毛」!?
医師の臨床レベルでは20代女子の薄毛が特に進んでいるという。
「20年前は20代で薄毛の人はあまり見られなかったのに今は地肌が透けている人をよく見かける。本来ならひとつの毛穴から3本は発毛しますが最近は2本以下の人が多く、1本1本の髪も細いケースが多い。理由は栄養不足やホルモンバランスの乱れ、夜型生活による生体リズムの崩れなどが考えられます。若い世代はもはや“総薄毛”状態なので気づいていない人が多いのも心配」(田路さん)
solution!
☑ハードなダイエットや偏食はやめて、バランスよく食べる。髪のもとになるタンパク質や鉄分、亜鉛はとくに意識的に摂取するようにして。
☑貧血気味の人はサプリメントや点滴で鉄分を補ってみる。ミネラルは長い時間をかけて徐々に吸収されるので、即効性を求めずまずは3カ月続けて。
☑頭皮マッサージで血行を促進し、頭皮に栄養分が行き渡りやすくする。シャンプー時に指のはらで揉みほぐすほか、こまめなブラッシングもおすすめ。
育毛セラムの投入も。
ネオメディック アストニッシュ スカルプ ナノミスト 100ml ¥8,000(松倉クリニック)
ルネ フルトレール トリファジック スカルプ プラス[医薬部外品]100ml ¥6,600(ピエール ファーブル デルモ・コスメティック ジャポン)
約70%の女子が「PMS」に悩んでる
頭痛や下腹部痛、気分の沈み……生理前に起こる不快症状の総称がPMS。
「生殖年齢の7割方の女性が症状を感じています。女性ホルモンのひとつである黄体ホルモンが分泌されるときに発症しますが、症状が重い人は大抵、強いストレスを抱えホルモンバランスが揺らいでいる。また、PMSのことを知らずに自分はどこかが悪いのかと不安にかられながら、ただ耐えている人も見られます」(対馬さん)。症状がひどい人はストレス性の鬱にも注意。
10秒で計測!スマホに連動させて日々の数値もグラフ化できる。婦人用電子体温計 MC-652LC オムロン ¥3,780*編集部調べ(オムロン ヘルスケア)
和漢植物を配合したシロップ。台湾の漢方ブランド発。UPLIFT HERBAL SYRUP 7包 ¥2,800(DAYLILY)
solution!
☑加味逍遙散などの漢方薬や日本で承認されている唯一のPMS治療薬「プレフェミン」(ゼリア新薬)を試してみる。
☑低用量ピルを服用する。ピルによる排卵の休止で女性ホルモンのバランスが一定になるため辛い症状が楽に。
☑基礎体温を測り周期リズムを知る。PMSが起こるのは高体温の時期(把握するだけで症状が和らぐ人も多い)。
スイーツ好き100%の人に
「黄ぐすみ&たるみ」リスクが?
某化粧品会社のデータによると四半世紀前と比較して現代の女性の肌の色は黄色みが強くなっているんだとか。たしかに近年は青み肌よりも黄み肌を気にする人が増えているとドクターも言う。
「黄ぐすみはそもそも加齢で起こるのですが、糖分の摂り過ぎによって体内のタンパク質が糖化することが拍車をかけます。さらにやっかいなのは糖質がたるみも助長する点。甘いものばかり食べている人は黄ぐすみとたるみの予備軍と言えます」(田路さん)
solution!
☑糖化こそ黄ぐすみの根源なので、砂糖がたっぷり入ったものを1日いくつも食べ重ねしないようにする。
☑クリニックで鉄欠乏に陥っていないかの検査を受け、必要があれば補給を(鉄分不足による酸欠も黄ぐすみの元)。
☑秋最新のホワイトニングコスメを取り入れる(保湿力も高いものが多いので乾燥によるくすみも予防できる)。
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話を訊いた方々
木津直昭さん
KIZUカイロプラクティック院長。ストレートネックについて脳神経外科医と共同で研究中。
白濱龍太郎さん
日本睡眠学会認定医。RESM新横浜院長。『良質な睡眠』(内外出版)など、著書も多数。
田路めぐみさん
松倉クリニック医師。7月に『東大医師が教える最強の育毛革命』(集英社)を上梓した。
対馬ルリ子さん
医療法人社団ウィミンズ・ウェルネス理事長、女性ライフクリニック 銀座・新宿 理事長。
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Photo: Yoshio Kato Collage: Ayame Ono Text: Chihiro Horie