可憐なルックスでいて、どうやらヘルシーコンシャスみたい。ジワリと注目を集める花を広角度で紐解いていきます。
ブームの兆し、エルダーフラワーを探しに GINZAの花通信vol.7
エルダーフラワーって何?
小田切地区で咲くエルダーフラワー。
ほわんとした花姿の正体は!?長野県長野市の小田切地区をエルダーフラワーで埋め尽くそうと奮闘中の安西晋さんに、たずねてみた。
「初夏に2~3週間だけほころぶハーブで、別名は『西洋ニワトコ』。ハーブと聞くと草花を想像されるかもしれませんが、3m以上まで伸びる樹木です。自生するヨーロッパではローマ時代から〝万能のくすり箱〟と重宝され、とてもパワーが強い。専門家が小田切産の成分解析を行ったところ、フラボノイドが多く含まれていました。アンチエイジング効果も期待でき、小さな花ながら大きな可能性を秘めています」
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安西晋
「エルダーフラワーの里 小田切」を目指し、2016年から標高約700~1000mで栽培を始める。2019年には国産原料では初のコーディアルを発売。
どんなふうに使われているの?
エルダーフラワーこぼれ話
国が違えば呼び名も変わる
王家の旧別荘地にも茂るスウェーデンではフラーデル、ドイツでは「聖なる木」の意味も持つホルンダーブリューテン。食文化にも溶け込む仏ではスュロ、ハンガリーではボッザと呼ぶ。世界最古のハーブであり、ヨーロッパで愛されてきたことがわかる。
エルダーフラワーはママの味
スウェーデンでは6月の旬を迎えると、白夜の街中や公園でカゴを片手に花を摘むおばあちゃんたちを見かける。外で調達したエルダーフラワーでコーディアルを手作りするためだ。初夏の定番ドリンクは家庭の思い出。英国とハンガリーでも続く伝統とのこと。
魔除けの象徴だった?
「妖精のマイホーム」と語り継ぐ神話や、不調をやわらげるハイスペックぶりから「魔女のお気に入り」とも呼ばれる。さらには、キリストの十字架になった木とも。効能の高さで暮らしになじんできたからなのか、宗教にも絡む神秘的なエピソードがたくさん!