突然車両ごと消えた日から「3年後」の世界に移動してきた5号車の面々。しかし2026年では思いもかけないできごとが彼らを襲う……。ドラマを愛するライター釣木文恵と漫画家オカヤイヅミが、『ペンディングトレインー8時23分、明日 君と』(TBS金曜夜10時〜)9話を振り返ります。8話のレビューはコチラ。
今夜最終回!考察『ペンディングトレイン』9話
直哉(山田裕貴)「戻りたい、あの場所に」そこで「ペンディング」されていたものとは……
考察『ペンディングトレイン』9話
思いがけない
帰還の余波
『ペンディングトレイン』1話を振り返る原稿で、以下のように書いた。
<ペンディングは「未決、保留、先送り」といった意味で、ビジネスの場でよく使われる単語。『ペンディングトレイン』は保留や先送り”せざるを得ない”窮地に追い込まれた人々を描くドラマだ。>
萱島直哉(山田裕貴)や白浜優斗(赤楚衛二)、畑野紗枝(上白石萌歌)らは、ある日突然、車両ごとおよそ60年後の世界にワープし、そこでサバイバルを続けてきた。その物語が8話にわたって描かれた。そんなドラマのタイトルに「ペンディング」という、ワープともサバイバルとも関係のない言葉が使われたのは、この9話を描くためだったのだ、とわかった。
荒天がつくりだしたワームホールを通って、元の世界の「3年後」に戻ってきた直哉たち。防護服を着た人々に体を調べられたのち、待ちわびていた家族やたいせつな人との再会を果たす。5号車の面々は口を揃えて自分たちが過ごしてきた2060年のことを語るが、誰にも信じてもらえない。
突然消え、3年後に現れた直哉たちに対して、SNSやネットニュースでの注目が加速。直哉は「イケメン美容師」ともてはやされ、弟・達哉(池田優斗)の犯罪歴まで明かされてしまう。結果、野次馬やYouTuberが直哉の店に詰めかける事態に。ワープした先では想定していないことが次々と起こっていく。
Edit: Yukiko Arai