とうとう元の世界へ帰れる可能性が見つかり、盛り上がる面々。そんな中、残ることを選ぼうとする人たちも……。ドラマを愛するライター釣木文恵と漫画家オカヤイヅミが、『ペンディングトレインー8時23分、明日 君と』(TBS金曜夜10時〜)8話を振り返ります。7話のレビューはコチラ。
考察『ペンディングトレイン』8話
信じる心をよみがえらせた直哉(山田裕貴)、ダークヒーロー田中(杉本哲太)爆誕!

考察『ペンディングトレイン』8話
帰れる算段に
固まる結束
6話で突然現れた高エネルギー天体物理学の研究者・蓮見(間宮祥太朗)。5号車でも彼の記事を加藤(井之脇海)が見つけ出したことをきっかけに、一気にもとの世界へ帰れる方法が見つかっていく。そんなおり、嵐の日にちいさなワームホールができたことから、白浜優斗(赤楚衛二)たちは沿線にあるはずの非常用の発電設備を探し、車両ごと元の世界へと戻る計画を立てる。
今までよりも確実な希望を見出し、電気のケーブルを辿っていく5号車のメンバーたちは、ますます結束が固まっているように見える。そんななかでも、元の世界へ戻ることをよしとしない人たちもいる。
まずは元の世界で孤立していた玲奈(古川琴音)。彼女は「帰ろう!」という車内の機運につねに「バカじゃないの?」と冷水を浴びせ続ける。でも、ただのあまのじゃくとかひねくれというだけではない。彼女の懸念どおり、たしかに無事に帰れる保証はどこにもないのだ。
また、高校生カップルの小春(片岡凛)も妊娠している状況への不安もあり、思い悩んでいる。
早い段階で車両から離脱した田中(杉本哲太)は帰るために奔走する人々を遠くから眺め、高みの見物を決め込んでいる。水と食糧をわけてくれる大地(藤原丈一郎)に対し「成仏しろよ」なんて憎まれ口をたたきつつ、決して悪い関係ではない、心を通わせているようすがうかがえる加減がいい。
こちらも突然現れた影のキーパーソン、6号車の海老原(加治将樹)の助言もあり、着実に帰る体制が整う5号車。あとかたもなく砂に埋もれた電源設備の屋内にスムーズに入れて中は無傷なのも、システムエンジニアの立花(大西礼芳)がなぜか電源の起動方法を知っているのも、そもそもあの細いケーブルを電車に巻きつけるだけでなんとかなるのも、いろいろと気になるところはあるけれども、ともかく帰れそうだ。
Edit: Yukiko Arai