ある朝突然、通勤電車の車両ごと異空間へと飛ばされ、何もわからないまま数十人でサバイバルを続ける萱島直哉(山田裕貴)、白石優斗(赤楚衛二)、畑野紗枝(上白石萌歌)ら。自分たちと同じように飛ばされたもうひとつの車両の人々の存在は彼らをどう変えるのか……。ドラマを愛するライター釣木文恵と漫画家オカヤイヅミが、『ペンディングトレインー8時23分、明日 君と』(TBS金曜夜10時〜)5話を振り返ります(レビューはネタバレを含みます)。4話のレビューはコチラ。
考察『ペンディングトレイン』5話
「今ここにいる意味」が欲しいのは優斗(赤楚衛二)だけではない
考察『ペンディングトレイン』5話
明らかになる6号車の存在と衝撃の未来
萱島直哉(山田裕貴)らが出会った6号車の人たち。IT企業の社長・山本(萩原聖人)を中心に川沿いに村をつくり、力を合わせて調理場やトイレ、お風呂までつくって生活を営んでいた。加藤(井之脇海)を刺した男・加古川(西垣匠)もここのメンバーだった。「敵か味方か未来人かわからなくて」という加古川、「お詫びに伺おうと思っていたところです」「今後はどうか歩み寄って」という山本。
直哉、白浜優斗(赤楚衛二)、畑野紗枝(上白石萌歌)が名乗ると、奥の方の乗客が「はーたの」と「まーきの」ばりに揶揄してくる。紗枝を守るためか、とっさに婚約者と偽る優斗。6号車の面々の、頼りになりそうな感じと信頼しきれない雰囲気のバランスが絶妙だ。
山中で見つけた船の無線が一時的に繋がったという山本によれば、彼らが飛ばされたのは2060年。2026年に隕石が衝突し、世界規模の災害が起こってしまったという。山本の「来たからには戻れる」「みんなで情報を共有しましょう」という言葉に、5号車の人々も希望を見出してにわかに活気づく。
しかしそんな中で、手放しで喜んでいないのが直哉であり、かつての暮らしで周りと折り合いが悪かった玲奈(古川琴音)だ。
Edit: Yukiko Arai