ネタの世界観を表現する上で鍵となる衣装には、芸人たちのこだわりが詰まっている。 賞レース王者からバラエティの人気者まで、芸人衣装研究家の福田フクスケさんが解説!
🎨CULTURE
お笑い芸人コスチューム図鑑 vol.3
ハリウッドザコシショウ、ウエストランド、納言etc.
ハリウッドザコシショウ

動きの面白さを際立たせるために、身体のラインを露わにしたスタイルに。テンガロンハットは海外のプロレスラーから着想を得たそう。
「裸は究極のユニフォーム!パンツ一丁の芸人さんは他にもたくさんいますが、ザコシショウさんは生まれた時からこの姿だったんじゃないかと妄想するほど、プリミティブなかっこよさがあります。白のブリーフだと生々しく見えてしまいそうですが、シャープな黒を選び、ハットを合わせていることで、上品さすら漂います」
ハイツ友の会

とあるブランドのスーツに一目惚れし、発売日に一緒に購入したそう。インナーと靴はあえてそろえず、それぞれ自由にコーディネート。
「“無課金のアバター”みたく個性をなくすことで、ボケとツッコミが曖昧な芸風にマッチしたスタイルを確立。どこにでも溶け込むニュートラルな服装だからこそ、誰もが共感できるネタに説得力が増すのだと思います。この2人なら、ガチャピンとムックやミッキーとミニーの中に入っても、いつもと同じトーンで堂々と漫才ができるのでは?」
爛々

「黒は何色にも染まらないから」と、コンビ名より先に、全身このカラーの衣装にすることを決めていたのだとか。
「“パラレルワールドの昭和で人気ホステスだった2人”とか“荒廃した阿佐ケ谷で生まれた阿佐ヶ谷姉妹”みたいな、古さと新しさの奇妙な同居を感じます。すべて黒一色でまとめているのにミニマルの対極に存在し、ギラギラした情熱を放出している2人。近い将来、アンミカ的な立ち位置に登り詰めて『黒って8000色あんねん』とか言ってほしいです」
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Text: Momoka Oba