別班として日本の国防のために尽くす乃木憂助(堺雅人)。バルカを舞台にテントに近づきますが、まさかの行動に唖然。日曜劇場『VIVANT』(TBS日曜夜9時〜)7話を、ドラマを愛するライター釣木文恵と漫画家オカヤイヅミが振り返ります。6話のレビューはコチラ。
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考察『VIVANT』ここにきて最大の裏切り!7話
視聴者の共感を逆手に取る主人公・乃木憂助(堺雅人)にやられた

考察『VIVANT』7話
視聴者の共感を
逆手に取る主人公
7話を見終えて、自分の単純さにあきれた。『VIVANT』では毎回必ずといっていいほど裏切りがあるのに、思いがけない真実が明らかにされるのに、いつの間にかすっかり乃木憂助(堺雅人)のことを信じてしまっていた。彼の性格や行動原理を勝手に決めつけてしまっていた。別班の一員として祖国のために身を捧げる覚悟のある人なのだとか、法を逸脱した行為もあくまでも日本の国益を毀損する相手にのみ行われるのだとか。ドラマの主人公は、視聴者の理解の範囲内で思考し、行動するはずという決めつけもあったのかもしれない。
6話で乃木のもうひとつの人格「F」の誕生が明かされたのも大きい。その経緯を知ったことで、つい私たちは乃木のことをすべて知ったような気になってしまったのではないだろうか。
直前の、柚木薫(二階堂ふみ)とのシーンにしてやられた感もある。野崎守(阿部寛)に教わったとっておきの赤飯を炊いて、いっしょにご飯を食べる乃木と薫。皿洗いをしながら拙いキスをして「すいません初めてで」とへたり込む乃木。その信じられないほどのピュアな面を見せられてしまって、それこそが彼の本当の部分だと思ってしまった。その思い込みは、後半で見事に打ち砕かれる。
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Edit: Yukiko Arai