2023年10月、デザイナー柳原照弘が率いる「TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO」が、デザインスタジオ、ギャラリー、ショールーム、飲食スペースを内包する新たなスペース「VAGUE」を神戸にオープン。12月初旬より約2ヶ月間にわたり、アートや食を楽しめる『WINTER SHOW』を開催中。旧銀行跡地を活かした美しい場所で、心を満たす数々の体験ができそう!
神戸に実験的なスペース「VAGUE」が誕生
さまざまなイベントが開催される“創造の場”が日本と世界をつなぐ
デザイナー、柳原照弘が主宰する「TERUHIRO YANAGIHARA STUDIO(以下、TYS)」。目に映る美しさだけではなく、時間や空間がもつ恵みを五感で堪能することにより、次の発想が生み出されるのではないか。こう考える「TYS」は、2021年、南仏・アルルに今までにないクリエイションや文化の交流を生む場として「VAGUE ARLES」を開設。
そして今年10月、神戸に2拠点目「VAGUE KOBE」を誕生させた。デザインスタジオ、ギャラリー、ショールーム、飲食スペースで構成される。
ギャラリーには、国内外のさまざまなアーティストの作品を展示。自然光の入る広々とした室内には、訪問者がゆったりと自由に歩き回れるような工夫がなされている。
「わたしたちが空間をデザインする際に大切にしているのは、視覚や触覚的なよさだけでなく、そこで誰(何)と出会い、どのような時間や質を体験するか。壁を覆う土の色や香り、職人の手の痕跡、光の反射や風の動きを感じるようにすることで、観覧者を自然な回遊へと誘っています」と柳原は話す。
また、「TYS」は、人間が体内に取り入れる最も身近なデザインを“食”と捉え、「FOOD CLUB」という活動もスタートさせた。その第1弾として、11月にメルボルン在住のシェフ・ベイカーである野田雅子を招聘。現地で得たインスピレーションをタルティーヌとドーナツで表現する1日限定コースを展開したそう。ちなみに、こういった限定企画とは別に、フードリサーチによって揃えたコーヒー、お茶、ワインなどのドリンクや、季節のオリジナルフードなどを常時楽しめる。
現在、「VAGUE KOBE」では『WINTER SHOW』を開催中。アート展やフードイベントが予定されており、企画展『堀尾貞治_廃材から生まれた千点の絵画』では、美術家、堀尾貞治が2016年に6日間で制作した1000点に及ぶ作品から、本イベントのために絵画をセレクト。オランダで活動するアーティスト、ルース・ファン・ビークの巡回展や、独創的な世界観が人気のジュエリーデザイナー、サスキア・ディーツの展示販売も。「FOOD CLUB」が贈るグロッサリーも見逃せない。
訪れれば、たくさんの文化的刺激が得られるスポット。いずれ、ここでの体験が何らかのクリエイションにつながっていくかもしれない。神戸に行くたびに立ち寄りたい。
ℹ️
【VAGUE KOBE】
営業時間_12:00〜18:00
定休日_火〜木
【WINTER SHOW】
期間_開催中〜2024年2月26日(月)
『堀尾貞治_廃材から生まれた千点の絵画』、『サスキア・ディーツ』
期間_開催中〜2024年1月15日(月)
『ルース・ファン・ビーク』
期間_2024年1月19日(金)〜26日(金)
*各イベントの詳細は@vague_kobeにてチェックを
Text_Ayako Tada