どこにも宣伝していない、口コミだけの客が足を運ぶ都内の隠れ家的占い師、オカンがいるという。人生の酸いも甘いも知り尽くしたアドバイスを求める財界や政界からの依頼者も数多く。今日も、迷える相談者がひとり…オカンのもとへやってきた。
占いのその後…vol.5 嫌で堪らない!大嫌いな先輩の下についた社会人2年目女子

相談者
斎藤佳子さん(仮名)
美容関係・24才
五黄土星
悩みをざっくり:都内の美容室でアシスタントとして働き始めて2年目の佳子さん。数カ月前にオーナーから、佳子さんが苦手に感じている先輩の下につくことを命じられたのだとか。しかし、先輩とコミュニケーションが取ることが難しく、他の美容室に転職することも考えている。
佳子の証言 「先輩のことが嫌いです!」
私は今、美容室のアシスタントとして働いているのですが、一緒に働いている先輩と合わないんです。私が働いている職場は、結構アットホームな雰囲気で、みんなで仕事を協力しながら仕事をするんですけど、先輩は一匹狼っぽくて、すごく性格が冷たいんですよ。
アシスタントはお客様のシャンプーやカラーなどの準備をしますが、先輩は指示を明確に出さないんです。「次に用意するもの、わかってるでしょ?」って言うんですけど、はっきり言わないんだから、こっちはわかるはずがないんですよ!
オーナーに「先輩とは合わない」って説明しましたが「しばらくは配置は変更しない」と言われてしまいました。アシスタント歴は今年で2年目になるんですけど、今から他の美容室へ行って、また1からアシスタントとして再スタートするのも嫌です。でも、いつスタイリストになれるかも分からないですし、どうすればいいでしょうか?
オカン:低迷だった五黄土星は今年から運気が良くなっているんだけども、派手な行動ではなく、慎重に動いてね。今、地道な努力をしておくと、来年以降に結果が出たり、認められたりするの。
佳子:分かりました。今の職場が嫌なんですけど、我慢したほうがいいってことですかね?
オカン:その先輩はただ自分の仕事をしているだけで、他の人のことは考えてないわよ。
佳子:それが嫌なんです。他の先輩は、後輩にも気を配ってくれるというか、優しいんです。
オカン:カードを見ていると、人手不足でお店が困っているって出ているけど。
佳子:そうですね。新人は、特に激務で辛い。耐えかねて辞めていきます。
オカン:優しい先輩たちは、辞めて欲しくないから後輩に気を遣ってくれているんじゃないかしら?
佳子:それはあると思います。私が苦手な先輩は、輪を乱すというか、協力しないんです。
オカン:貴方が働いているお店は、給料制なの?
佳子:基本給があって、スタイリストになると指名料の売り上げの一部をもらえるはずです。私は、まだアシスタントなので基本給だけです。
オカン:歩合なの? それは、他の美容師はライバルになるわけだから仲良くやろうとは思わないでしょ。生きるために自分のお客さんのことは大事にするでしょうけど。
佳子:…そうなんですかね?
オカン:そりゃそうでしょう。優しい先輩だって、貴方と仲良くしようとしているのではなくて、注意したいことがあっても、辞められたら困るから我慢しているかもしれないでしょ。でも、それで、貴方が一人前になると思う? 現にまだ半人前でしょ? あと、優しい先輩にいつまでも甘えちゃダメよ。「次に用意するもの」を言われないと用意できないのは、1年目で卒業しなきゃ。もう素人じゃないんだから。先輩がやっている作業を目で見て盗みなさい。カンを鋭くしなさい。カットが終わった後とか、「そろそろスプレー使うなぁ」とか分かるでしょ?
佳子:そうですね。分かりますね。
オカン:分かってるのに、用意しないの? それって、逆に先輩に対して優しくないんじゃないの? 言われるまで何もしないのは、恥ずかしいと思った方がいいわよ。美容師として、もっとプロ意識を持ちなさい。先輩が何を欲しがっているのかに気付けないっていうことは、お客さんが何を欲しがっているのか気付けないってことなんだから。
このカード見て。「力」がひっくり返っているでしょ? 貴方は3カ月後にも実力がなくて、同じことを言っているのよ。でも今、ここで先輩から盗んでやるって、気持ちを切り替えたら、未来のカードも変わるから。先輩の悪いところを見つける時間があるなら、自分を見つめ直しなさい。
占いのその後 「オカンに何も言い返せなくて、悔しかった」
オカンの占いの後、意識が変わったという佳子さん。「ぶっちゃけ、オカンに何も言い返せなくて、悔しかったです。確かに冷たい先輩だとは思っていたんですけど、先輩を指名してくるお客様は多いので、見習う部分はあるんだと思いました。
あれから先輩に何かを言われる前に用意するというのを心掛けました。“用意するものが的外れだったらどうしよう”と思っていましたが、大概そんなことはなく、以前よりも仕事がスムーズになったと思います」
社会人として世の中に出た時に、まずどこの世界でも“気遣い”が大事なのだとオカンは話す。
「相手に欲しいと思われた時に、すぐに出せるようにしておくのが基礎なのかもしれないわね。占いにも佳子さんと同じような悩みを持つ人はたくさんくるわよ。カンが鋭いっていうのは、先を読めるかっていうこと。先輩のため、お客さんのため、何が必要になってくるかを考えられるようになると、周りも認めてくれるようになるの」
私たちが何気なく暮らしている普段の生活は、人の気遣いで溢れているのかもしれない。今回、佳子さんの仕事に対する意識が変わったことは“次のステップ”への足掛かりになっただろう。
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オカン
2007年に都内の自宅で占いの店をオープンし、これまでの鑑定人数は3000人を超える占い師。タロット、九星気学をもとに、霊感で見える風景や人物をヒントにアドバイスをする。霊感は幼少期からあり、10代の頃から趣味でタロットを始める。本人の希望により、店の詳細と本名は秘密。