しばらく袖を通していなくても、使い込んでボロボロになっても 時が経っても手放せずにいる、思い出が詰まった大切なもの。 今につながるストーリーとともに紹介する。
🤓COLUMN
作編曲家・Yaffleの「捨てられない宝物」
トラブルも一緒に乗り越えた旅行記のようなスーツケース
トラブルも一緒に乗り越えた旅行記のようなスーツケース
アーティストとの共同制作のために欧州やLAに赴くことが多いYaffleさん。リモワのアルミニウム製スーツケースひとつでどこへでも旅立つ。
「物持ちがいい方ではなく、すぐに新しく買い替えちゃうタイプですが、これに出合ってからはもうその必要がないなと。傷がついたり凹んだりはしてもまず壊れないし、ヨーロッパの石畳の道にも耐えます。飛行機や鉄道での移動が多いので、なるべく荷物はひとつにまとめたい。半分はレコーディング機材を放り込んで、あと半分は私物や服を入れてあふれそうになっても上に乗っかればなんとか閉まるし(笑)。海外のスタジオは機器が整備不良の場合もあるので、一応最低限必要なものを持っていきます」
ミラノからパリへ移動する列車の中で抜き打ちの荷物検査につかまり、スーツケースを開けさせられ、無梱包のキーボードや集音マイク、コード類がたくさん出てきて怪しまれたことも。
「言葉が通じない2人の警備員のうち、女の子の方が音楽に詳しいみたいで、事情を理解してくれて事なきを得ました。あちこちぶつけて傷がついたり、駅や空港で買ったステッカーを貼ったり。旅先のいろんな記憶を宿した、相棒のような存在です」
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Yaffle
ヤッフル
1991年東京都生まれ。作編曲家。小袋成彬らとともにTOKAを設立。藤井風、iriなどの楽曲をプロデュース。2023年2月に2ndアルバム『After the chaos』をリリースした。
Photo:Kiyotaka Hamamura Text:Mari Matsubara