8月のエンタメをレビュー!GINZA編集部がレコメンドする新刊をご紹介。
🎨CULTURE
コーダである著者の記憶への旅。 五十嵐 大『聴こえない母に訊きにいく』
8月のG’s BOOK REVIEW
『聴こえない母に訊きにいく』
五十嵐 大
![(柏書房/¥1,870)](/_next/image?url=https%3A%2F%2Fapi.ginzamag.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2023%2F07%2F2072ae514dc59dba813d1811f1fbdc95.jpg&w=3840&q=75)
「ろう学校にいるときから、いつもニコニコしていなさいって教えられてた。そうすれば、聴こえる人たちはやさしくしてくれるからって」──コーダ(聴こえない親を持つ、聴こえる子ども)である著者は、今までよく知らなかった母、冴子の人生を追ってみようと考える。親族や関係者を訪ねる「記憶への旅」は著者に何をもたらしたのか。ろう者がたどってきた過酷な歴史の一端も明かされる中、冴子さんの温かな人柄が読者の心をも救う。
🗣️
Recommender: 北村浩子
今月心に残った一文。《「好き」と「もう好きじゃない」という感情ははっきりとふたつに分けられない》(『ローラ・ディーンにふりまわされてる』より)