普段は京都で暮らしているライターYが、ハワイで夏休み。久々のオアフ島、バケーションでのあれこれを3本立てでお届け。前編は私たち旅行者も学ぶべき新しいツーリズムの形から、知っておきたい歴史、今泊まりたい素敵なホテルをご紹介します。前回は〈実相院門跡〉。
ライターYのハワイ通信 vol.1〈サステナブルで“マラマ”なハワイ旅〉ライターYの京都通信 番外編
思い返せば、前回ハワイを旅したのは2016年、雑誌Hanakoのハワイ特集でのお仕事。実はその時初めてオアフ島を訪れたのですが、日本人が抱く“常夏の島”というイメージよりもずっと複雑な歴史がある一方で、同時に南国らしい根っからの明るさと楽観的な感じも漂っていてーー。簡単にいうと、ひと目で恋に落ちてしまったのです。その証拠に、日本に帰ってからしばらくの間、私の目標は「いつかハワイに家を買う!」(笑)。それがいつの間にか、ハワイとは真逆(?)の京都に移住してしまったのだから、人生って面白いなと。
キーワードは「マラマ=思いやりの心」。
海も、森も、これまで以上に美しい!
6年ぶりのオアフ島、まず気がついたのは、以前より断然美しい青々とした海と、真っ白な砂浜。聞けばコロナ禍の間、早くからロックダウン行われたハワイでは、州民を感染から守るため渡航の延期をお願いしたこともあり来島者が激減。その結果、海洋環境が目に見えて改善されて、ワイキキの観光地のビーチにもイルカやウミガメがやってくるようになったのだとか。もともとエコへの意識が高いことで知られるハワイですが、現在ハワイ州観光局が掲げる「マラマハワイ」のスローガンのもと、生態系にできる限り負荷をかけない滞在の仕方や、文化を守り歴史を伝えるためのアクティビティを提唱中していて、私たちツーリストも学ぶところがたくさん。
ハワイと日本の皇室には意外な繋がりが!
素敵デザイン満載のイオラニ宮殿を訪ねて。
ハワイの王族たちの住居でもあったイオラニ宮殿。1882年にカラカウア王によって建てられ、1893年のクーデターによる王政廃止まで政治の中枢でもありました。現在はミュージムとして公開されていて、調度品やドレスなどを保管・公開。ここを訪れるのは2回目でしたが、一昨年にスタートした新たなツアー「Hawaii Royal Connection to Japan Tour」(日本語は第1・3水曜、69.95ドル)では、ハワイ王国と日本の皇室の関係を勉強して、意外なつながりに驚きっぱなし。そこかしこに散りばめられた往時のグッドデザインにも心がときめきます。
野菜を買って、料理をして、リビングでゴロン。
家を買わずとも「暮らす」ことが可能な旅の選択肢。
今回の宿はザ・グランド・アイランダー・ヒルトングランドバケーションズクラブ。全室スイートの37階建、洗濯機などの家電を備えた高級コンドミニアムスタイルのバケーション・オーナーシップ(タイムシェア)リゾートです。オーナーになると、所有するオーナーシップによりポイントが一年に一回、永続的に自動付与される仕組み。同オーナーシップは全世界に展開しているから、世界各地にある12000以上のリゾートに滞在可能。別荘と違い会社が管理してくれるので、身軽にハワイへと旅して、暮らすようにステイできるというわけ。ハワイに家を買うのはなかなかハードルが高いけれど、“年に一週間のマイホーム”ならお試しにも良いかも。間取り的には全部屋ゆったりとしたダイニングキッチンを備えていているのもポイント。なにせ旅先ではがぜん料理がしたくなる派なもので。といいつつ今回は料理が上手い同行者のご相伴に預かったのですが……。
久々のハワイ旅では、これまでに見たことのないハワイの新しい顔や歴史、トロピカル一辺倒ではないデザインに触れて、ハッとさせられるひとときでした。続く中編はショッピング日記!ヴィンテージからスーパーやアウトレットまで駆け足で紹介するのでお楽しみに。
Special thanks: JAL、Hilton Grand Vacations, Hawaii Tourism Japan
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Hiroko Yabuki
エディター・ライター。『POPEYE』『BRUTUS』などで編集・ライティングを手がける。通訳案内士のラインセンスを持ち、海外アーティストのインタビューや撮影コーディネーションも行う。