ミラノにあるOsservatorio Fondazione Pradaで開催中の『ロール プレイ』展をアレンジした展覧会が、プラダ 青山店で幕を開けた。5組のアーティストによる写真や映像、音声作品が並ぶ。
プラダ 青山店『ロール プレイ』展でたずねる、アイデンティティの現在地

本展は2002年から10年間、NYのフォト雑誌『aperture』の編集長を務めた、メリッサ・ハリスがキュレーションを手がける。写真のエキスパートでもある彼女が選んだアーティストは、澤田知子、ジュノ・カリプソ、ベアトリーチェ・マルキ、ハルカ・サカグチ&グリセルダ・サン・マルティン、ボゴシ・セククニという、国籍も年齢もさまざまなバックグラウンドを持つ5組6名。写真表現がメインだが、現代社会を反映して、デジタルと融合した新しい試みも。
ロールプレイングにはアイデンティティが必要だという考えをもとに、ハリスいわく「自分は誰なのか、そもそも自分とは何か、また自分の存在そのものについて問うこと」を探求する作品が揃った。
ジュノ・カリプソの作品
今回のメインヴィジュアルとなった1989年生まれのジュノ・カリプソは、冷戦時代のラスベガスで核シェルターとして地下8メートルに建てられた大富豪の邸宅を舞台に撮影。管理人とFacebookで何カ月も交渉した結果、この家に出入りできるようになったといい、地下で1人寝泊まりしながら、ピンク色のバスルームやキッチンで撮影したセルフポートレート作品が会場に並ぶ。
参加するアーティストたちは、社会の中で基本的な役割を持ち、作品の中でさまざまな人格に扮している。彼らのアートを通して、自分は何者なのか、どう見られているのか、誰の人生ならより深く理解したいと思うのか。そして、私は本当の自分に忠実だろうか、と自問するいい機会になるはずだ。
会場のプラダ 青山店 5Fは、濃いブルーに染まる。今回の展示のためにクリエイティブ・エージェンシー Random Studioが手がけた、光のインスタレーションだ。
Role Play
ロール プレイ
会期: 2022年3月11日(金)〜6月20日(月)
時間: 11:00〜20:00
会場: プラダ 青山店 5F (東京都港区南青山5-2-6)
Tel: 0120-45-1913/プラダ クライアントサービス
入場無料
※新型コロナウイルス感染症の感染予防・拡大防止のため、状況に応じて入場制限を行う可能性があります
Photo: Wataru Kitao, Courtesy of Prada Text: Mika Koyanagi