貴重なヴィンテージに自身の“歴史”を日々刻み込む、生粋のデニムラバー。色落ち具合はもちろん、傷、擦れ、ペイントなどのダメージはすべて思い出や愛情の証なのだ。
自由なDENIM♡LOVERS 清水亜樹さん
清水亜樹/MALION vintage デザイナー
「デニムだから、こうじゃなきゃいけないと決めつけるのは嫌だ」
その向き合い方について、清水亜樹さんはきっぱりと語る。
「自分の気分に素直でいたい。だから、デニム単体で〝可愛い〟と思えるかが何よりも大事。〝表情〟が気に入れば、2インチアップでもウエストをグッと絞ってはいています」
なかには、15年超の愛用品もある。
「〝自由〟とはいえ、好みのシルエットはある程度決まってきました。ジーンズはほぼハイウエスト。それと、スッキリしたオーバーオール。デザイナーって意外と肉体労働で、古着などの素材を自ら検品したり、重い荷物を運んだりします。だから、作業の日は必ずデニム。とにかく、タフで動きやすい。ポケットが多い〈キャント バステム〉の白いオーバーオールは特にそう!50年代のもので、おそらく女性用ではなく、子どもも着られるメンズだと思います。それが、着てみたらピッタリ。即決で購入しました。たとえ市場価値が高いと言われるものでも、大事に飾るよりワードローブにする派なので、汚れても破れても、それも〝マイ・ヴィンテージ〟と前向きに受け入れています」
先人から受け継いだ一本に、自分だけの価値を見出しているのだ。
「何を合わせてもサマになるところも好き。カジュアルになり過ぎないようにブラウスを合わせることが多いですね。新品もあるけれど、クローゼットの前に立つと結局、着古して体になじんでいるものを選んでしまいます」
腰まわりに刺繡などのアクセントが入っているものが、特に好み。ノーブランドからUSネイビーまで、70sを中心にハイウエストジーンズ4本を着まわす。
「これは完璧」というフレアシルエットは15年愛用。
縦横に伸びる、〈armor jeans〉のストレッチジーンズ。身頃のシームで縦のラインを協調した、タイト&フレアのシルエット。タフなうえに、のび〜る70sヴィンテージ
とにかく見た目が可愛い!選ぶ基準はそれのみです
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清水亜樹
1983年兵庫県生まれ。2022-23AWはランウェイ形式でコレクションを発表。自身の生まれ年より古い服をヴィンテージと捉え、古着ライフを楽しむ。