2017年、その年の英国最優秀新人デザイナーに選ばれた、イギリスのブランド〈マザー・オブ・パール〉のクリエイティブ・ディレクター、エイミー・パウニー。彼女が10万ポンドの賞金で、サステイナブルなライン「No Frills」を立ち上げる、コレクションデビューの裏側に迫ったドキュメンタリー『ファッション・リイマジン』が公開中。ロンドン・ファッション・ウィークの取材も重ねてきたベッキー・ハトナー監督に聞く、現地のエシカル・ファッション最前線。
服作りから法整備まで。ヨーロッパのサステイナブル・ファッション最新事情
映画『ファッション・リイマジン』ベッキー・ハトナー監督にインタビュー
──環境問題に目覚めたきっかけを教えてください。
2012年公開の『Revolution(原題)』という、海洋汚染や気候変動をテーマにしたドキュメンタリー映画に、編集スタッフとして関わったことがきっかけです。ほんの短い間に、それまで考えもしなかった多くの情報を吸収して。それ以来、サステナビリティを重視して暮らしてきました。食べものの買い方もそうだし、移動手段もなるべく飛行機を避け、車よりは自転車や徒歩を選んだり、スキンケア用品や掃除用品を自分で作ったり、マイボトルを持ち歩いたり。
でも数年経ってから、自分一人の暮らしを変えるだけでは不十分で、映画監督としてのスキルを使って、もっと広く世の中に影響を与えたいと考えるようになりました。そんな時、幸運にも〈マザー・オブ・パール〉のクリエイティブ・ディレクターであるエイミー・パウニーに出会い、この映画のインスピレーションをもらったわけです。
Edit&Text: Milli Kawaguchi